眠たげな猫の傍で

眠たげな猫の傍で

世界の果てで眠っていたいな

赤ら顔と電車

電車に乗っていると、げらげら笑っている声が聞こえたのでそちらに顔を向けると赤ら顔の男が女と楽しそうに話していた。まだ夜ではない時間なのに、その赤ら顔は顔を真っ赤っかにして、マスクも着けずに、にこにこと隣にいる女と楽しそうに話していて、「ああ、彼らにとってはコロナが終わったのだろうか」と思った。そこに感情を乗せるような真似はしない、ただただ腹が立つだけだから。そっと彼らから距離を取ることしかできないわたしの不甲斐なさ。

 

 

昨日から緊急事態宣言もまんぼうもない、普通のように見せかけた日常が始まって、お酒が好きな人たちはここぞとばかりに居酒屋に押しかけている。そういう人の大半はお酒の味が好きなのではなく、お酒で良い気分になって、他人とワイワイするのが楽しいのだろう。わたしはそういうことに関して興味がなく、鬱陶しいとすら感じてしまうので、会社での飲み会が一切なくなったことを嬉しく思う。昨日、新しい職員が異動で私の属する部署に来たが、皆の前で簡単な、本当に簡単な挨拶をしただけで、そのあとに歓迎会なるイベントは発生しなかった。私が異動になった時も歓迎会はもちろんなかった。のんひょが来た時も、書類整理さんが入ってきたときもなかったので、これで4回連続歓迎会がなかったことになる。彼、彼女らは歓迎会が催されなかったことに寂しさを感じただろうか。私は会社の人間とワイワイしたいとは思わない、そもそも中途半端な間柄の人間とワイワイしたいという発想を持ち合わせていないので、歓迎会という概念が消滅した世界を快く受け入れている。このまま飲み会という文化が私の周りで消滅してくれればいいのに。

 

電車に乗っている赤ら顔の男はあまりにも声が大きかったので、近くに立っていたおじさんに注意されていた。「だってお酒が解禁されて嬉しいんだもん」と甘えた声音で話し、女に体を預けないと立っていられないほどの酩酊という醜態を晒してもなお、彼は、彼らという存在はお酒が飲みたいのだろうか。そういう集団はどこかの離島にひとまとめにして隔離してほしい、と強く願った。