眠たげな猫の傍で

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世界の果てで眠っていたいな

結婚に関する揺らぎ

図書館でどさっと借りてきた「結婚」「婚活」に関する本をぱらぱらと読んでいる。婚活を主題にした本はデータを用いて、「このような層が結婚しづらくなっている」と客観的に物事を説明していると思いきや、突如、主観的に、「どうしてこの人間が結婚できないのか」と語りだして、げんなりした。げんなりしたが、結婚というものはどこまでいってもプライベートなもので、杓子定規に語れる現象ではない。それでも筆者の偏った言説をいつまでも聞かされるのはうんざりして、途中で放り出した。

 

 

一昨日から内田樹の「困難な結婚」を読んでて、この人は結婚に対して非常に肯定的で、「結婚することにより人として成長できる」と誰でも思いつきそうなことを言っているが、どのようにして結婚が人を成長させていくのか、いくつかの考えを提示して、自分の主張を強固なものにしていく。

 

 結婚を通じて幸福になろうとしているのが、間違い。そう思ってるからみんな結婚できないんですよ。今よりも不幸にならないように結婚するんです
 先ほども申し上げましたように、結婚という制度は「幸福になるため」の仕掛けではなくて、「リスクヘッジ」なんです。せっかく結婚を前にして、幸福な未来を思い描いてる人に対して気の毒とは思うんですけど、にべもない言い方をすれば、「一人で暮らすより、二人で暮らす方が生き延びられる確率が高い」から人は結婚するんです。発生的には「幸福になるための制度」ではなく、「生存確率を高めるための制度」なんです。

内田樹の「困難な結婚」p76-77

 

 結局は結婚関係っていうのは、ある意味で「権力関係」なんだということをそのとき学習しましたね。どっちかが「ボス」なんですよ。そうじゃないと安定しない。お互いの意見を聞き合って、すべて対話で決めましょうとかいっても、そういうルールそのものは話し合いじゃなくて、どちらかが制定しているんです。

同上p76-77

 

Q:一緒に暮らしてみると、生活習慣が違いすぎて、やっぱりほかの人と一緒に暮らすのはなかなか難しいなあと感じます。他人とうまく暮らすコツってありますか?

 

 この人は自分とは違う人だと思っていればいいんじゃないんですか。自分とは氏も育ちも違う人なんですから。起きる時間も寝る時間も違うし、食べるものも違うし、好き嫌いも違う。それが折り合ってゆけるような幅の広い、「ゆるい」空間を作り上げることが結婚生活の楽しみなんじゃないかな。
 夫婦の思想や趣味が同じじゃないと気が済まない人がたまにいますけれど、それだとけっこうたいへんだと思いますよ。いいじゃないですか、違ったら違ったで。

同上p160-161

 

 

内田が言っていること全てに対して肯定はできない。「それはあんたが心にゆとりのある人間だからできることでしょう」と言いたくなることもある。あるが、心のゆとりなんて自分の人生に対する取り組み方次第でどうにでもなる問題だし、内田が言っていることを自分なりに要約すると、

 

「結婚に過度な期待をするな。でも結婚することで、独身でいたときよりも多くの事を学べる」

 

といった感じで、この本を読んでいると結婚をしたいな、独身でいることで悠々自適な生活を送れることは幸せだけれど、ずっとそれだと寂しさを感じる時はあるんだよな、やっぱり結婚したいな、と思える。思えるが、私にとって一番の問題は「どうやって結婚相手と巡り合うか」で、それはマッチングアプリを使ったものなのか、結婚相談所を使ったものなのか、はたまた社会人サークルに参加して、徐々にお互いの事を知っていってからの交際なのか。どれを選ぶかは自分次第だけれど、「社交不安症」とこの間の診察の時に先生が教えてくれた既往症を持ち合わせていると結婚相談所に登録することはおそらく不可能、たとえ登録できたとしても「結婚」が目的で、結婚ばかり気にして相手のことを包容する力のない人にとっては私は結婚相手にはふさわしくないだろうから、それ以外の方法で相手と巡り合うことを考えているのだけれど、奇しくも現在はまだまだコロナ禍真っ最中で、とてもじゃないけれど命と婚活を天秤にかけて婚活のほうが重い筈がないので、国内のワクチン接種がだいぶ進み、病床数に余裕が生まれ、もしコロナに罹患してもそこまで危ない状況にさらされるわけではない、という状況になったら婚活を再開しようと思っているのだけれど、多分、今年いっぱいは無理だろうし、もしかしたら5年くらいは時間を要すると見積もっておいた方がいいんじゃないかな。

 

困難な結婚

困難な結婚

  • 作者:内田 樹
  • アルテスパブリッシング
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