眠たげな猫の傍で

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世界の果てで眠っていたいな

UNISON SQUARE GARDEN Revival Tour "CIDER ROAD"@川口総合文化センター リリア(2021.8.10)感想

2013年に映像化された「"CIDER ROAD" TOUR 2013 〜4th album release tour〜」を完全再現するツアーが決定

公式HPより引用

 

 

私がUNISON SQUARE GARDEN のライブに初めて行ったのは2011年の「“Populus Populus” TOUR 2011 ~3rd album release tour~」で、その時の記憶は殆ど残っていない。ダイアモンドホールという箱で観て、かっこいいな、面白いなという感想を抱いたから、その後もちょこちょこ彼らのライブに行くようになったのだろう。

 

 

先日、リバイバルツアーが行われた「Spring Spring Spring」はどうしてか行ってない。なんで行っていないのか、本当に覚えていない。日程を確認すると2012年4月の初めで、おそらく新入生の勧誘で忙しかったのだろう。ということで、次にユニゾンのライブに行ったのが2013年の「“CIDER ROAD” TOUR 2013 ~4th album release tour~」。このツアーからユニゾンはライブをホールですることが多くなっていく。どうしてホールでライブをするようになったのかは、田淵のブログにその辺の事情が書かれていたと思うので、気になった方は読んでみてください。ロックバンドのライブをホールで観るのは初めてだった気がするが、その時に感じたのは「めっちゃ観やすい」ということ。私が行くライブは激しいライブが多くて、客と客がぶつかるのが当たり前の世界、そんなところでのんびりとライブを楽しむことができねえなあという不満があった。でもホールでのライブは座席指定なので、自分の動ける範囲は限られている。それがとてもありがたい。他人の動きを気にすることなく、ライブに没入できるっていうのは当時の私にとっては画期的で、その時くらいからユニゾンが他のバンドとはちょっと違う存在みたいに思ったんじゃないかな。

 

 

この時はまだユニゾンのことをそこまで好きではない、聴くけど他のバンドとそんな変わらんなーといった感じで、だからこの時のライブの記憶も仔細には残っていない。「CIDER ROAD」というアルバムもそんな好きではなく、(なんだかポップに寄り過ぎていないか?)ということを当時は思っていた。でもその後にどんどんユニゾンが好きになっていて、好きになっていくにつれて「CIDER ROAD」が素晴らしいアルバムであることにも気が付いていく。このアルバムの曲の中にはその後のライブで滅多に演奏してくれない曲も多く、「光のどけき春の日に」や「クロスハート1号線(advantage in a long time)」なんてその後のライブで観た記憶がない。それらの曲を2021年のユニゾンの演奏で聴ける幸せ。そして、「お人好しカメレオン」(めちゃめちゃ好きなんだけれどな...)以外の「CIDER ROAD」の曲はこのライブで演奏してくれるので*1、もうこれはライブが終わった後に家で一人、粛々と祝杯をあげたいくらいに最高のライブなので、お盆休み、帰省しないで東京に残ることを選び、お盆休みの4日目に、ツアー1本目の川口総合文化センター リリアに行ってきました。

 

 

ほぼ定刻に客電が落ち、「絵の具」が流れ、メンバーが現れる。一曲目に何を演奏するのかだけははっきりと覚えていた。「to the CIDER ROAD」のイントロが流れ、ライブが始まる。この曲をライブで聴くのはそれこそこのツアー以来、気づくと体が動いていた。2021年のユニゾンが鳴らす「CIDER ROAD」をこれから堪能するのだけれど、兎にも角にも圧巻の一言だし、セトリも最高なものに仕上がっていた。3人がそれぞれ全力で鳴らす「to the CIDER ROAD」を今日観れるのが本当に嬉しくて、つい泣いてしまいそうになる。この曲を演奏してる時、田淵はスタンドマイクのところでじっとしていたのだが、続く「ため息 shooting the MOON」で縦横無尽に動くの、長年彼の行動を観察してきたから不思議に思わないけれど、前情報がなくて奇怪な動きをするベーシストが目の前に現れたら曲に集中できなくなるのではないか。この曲も滅多に演奏してくれないレア曲なので、気を緩むとにやにやしてしまう。音源よりも気合の入った斎藤さんの歌声、聴き惚れてしまう。こんなにもかっこいいんだからこれからのライブでも頻繁に演奏して欲しいと思うのは私だけでしょうか。この時点で「CIDER ROAD」を存分に味わってしまい、あとどれくらい曲を演奏してくれるのかは知らんけれど、心身が持つかしら。ライブが終わった後にきちんと歩いて家に帰ることができるのだろうかと余計な心配をしてしまうほど、2曲だけで心が完全に撃ち抜かれてしまった。ああ、ユニゾンのライブは最高ですな。間髪入れずに「cody beats」が演奏される、贅沢すぎる選曲に舌を巻く。この時期は勿体ぶらずに「cody beats」を演奏してくれていたのね、当時はそんなことを全然考えずに、それもそこまで好きな曲ではなかったので、そこまでありがたさはなかったのだ。

 

 

一呼吸置いて、「CIDER ROAD」に収録されているシングルのカップリング曲で唯一披露されるのは「ラブソングは突然に~What is the name of that mystery?~」。当時のライブではぽかーんとしていた、あまりこの曲のよさが分かっていなかったし、他に聴きたいカップリング曲もあったから。でもこのツアーでこの曲を持ってくるところが田淵だし、次の曲へとうまく繋がっていく良いスパイスになっている。「セレナーデが止まらない」は当時は全然好きじゃない、何が良いのかさっぱり分からなかったが、今は本当に好きで、去年の着席ライブのときに演奏されて嬉しくて、つい立ち上がりそうになった。そんな「セレナーデが止まらない」をじっくり堪能する、メンバーがどのように動いているのかをじっくりと眺める、つもりでいたのだが気付いたら体が動いている。で、次に「Miss.サンディ」が演奏されたのだが、あまりの幸福感に眩暈がしてしまう。大好きなんだよ、幸せを感じるんだよ。サビのぶぶんで行進している田淵があまりにも可愛らしい。楽しそうに歌っている斎藤さんを観ていると、メンバーもこの曲を演奏するのが好きなんだろうな、好きならもっとセットリストに組み込んでくれればいいのに、これを機会にこれからお願いします、と願いながら「カウンターアイデンティティ」を投下。何度聴いてもこの曲は異質な感じがする、そのあまりの挑戦的な歌詞や演奏についつい自分の立ち位置を忘れてしまいそうになる。15周年のライブの時に久しぶりに演奏されて変な声をあげてしまったが、当時はライブでよく演奏する曲だったのだろう、そんななんとも贅沢な時代にもっともっとユニゾンのライブに行っておけばよかったという後悔がふっと沸き立つが、そんなことは今更考えても仕方ないし、今この瞬間、「カウンターアイデンティティ」を堪能出来ているのだからそれでいいじゃないか、まだあと1回堪能できる機会があるんだからそれでいいじゃないかと自分を落ち着かせながら、ステージをじっと見つめる。ちょっと疲れた、一呼吸置かせてくれと思うも、間髪入れずに「オリオンをなぞる」を演奏するの、ちょっとどうにかしてしまいそう。え、これでライブが終わるなんてそんなオチはないよね、でもこの大団円を迎えましたみたいな感じ、すごく漂っていて、別にこれで本編が終わっても良いけれど、本編と同じくらいのボリュームでアンコールをしてくれてもいいんだよと世迷言をついつち考えてしまう。

 

 

ここでMC

 

斎藤「今回の再現ライブをするにあたって不安がありました。『CIDER ROAD』はこってりしたアルバムだから、ライブを長く感じてしまわないか。今回のツアーを牛で例えるとカルビ。最上のユニゾンスクエアガーデンを牧場で。ツアーは北上します。おあとがよろしいようで」

 

と、最近のライブでは絶対言わないようなことをぽろっとこぼしてしまうのは、当時の事を思い出してライブをしているからだろうか。

 

 

ここからじっくりこってりゾーン。まず演奏された「光のどけき春の日に」で名づけよう無い感情が全身に行き渡って、ああ、ユニゾンを聴き続けてよかったと心底思う。最低限のピンク色の照明に照らされて、優しい歌詞を歌う斎藤さんは本当に人間なのかと疑問に思うほどに優しすぎる存在になっていた。

 

歯がゆい右手 巻き戻した時計 もう正しくない
くだらなくてもいいから 話をしよう できるだけ太陽が沈むまで

 

のぶぶんで無言でいるのが堪えきれなくなりそうになる。生きててよかった、今日まで生きてたから「光のどけき春の日に」をまたライブで観ることができたんだよ。嬉しくてぼおっとしている精神状態のまま、次に演奏されたのが「いつかの少年」で自我を保っているのが困難になった。え、え、え、演奏してたんだっけ?当時はまだこの曲の良さに気づいていなかった、アルバムを聴いててこの曲が来ると「だるいな」と思って飛ばしていた、そんな愚行を犯していたのに私はライブでこの曲と対峙することができている。

 

バラバラになった地球儀を並べて
赤道を一つに繋げてみる
忘れないでよ、忘れないでよってわかるかな わかるだろ

 

でふわっと体が宙を舞いそうになったのはきっと気のせいじゃないって分かっているよ。大好きだから、大好き過ぎるからいざその曲が目の前で演奏されていると、本当にこれは現実のものなのか信じられなくなる。でもこれは現実だよ、今あなたは「いつかの少年」を2021年のユニゾンの演奏で聴いているんだよ、でもまだ信じられないんだよ。ここでも最低限の照明で、メンバーの表情はほとんど見えないけれど、優しい表情をしているのはなんとなくだけれど分かるよ、分かるんだよ。はあ、ずっとこの時間が続けばいいのにね。完全にのんびりモードに浸っていた私に浴びせられた「クロスハート1号線(advantage in a long time)」で今日イチぐらいに興奮した。当時はそこまで好きじゃなかったけど、今は狂おしいほど好きなんだけれどライブで全然演奏してくれないの悲しいよね、確かにこの曲は「CIDER ROAD」のアルバムの中だときちんと存在感があるんだけれど、他のアルバムに混じってしまうと一気に存在感がなくなってしまうよね、そんなことはないよね、何書いているんだろう、嬉しすぎて正常な思考ができなくなってしまっているんだろうね。この曲もずっと歌詞がたまらないんだけれど、

 

何のために生きてるのって聞かれたら自分のためだって迷わないけど
その片隅のほんのちょっと けど大事なスペースに君がいて欲しい わがままかな

 

のぶぶんが狂おしいほど好きで、それを今斎藤さんが歌っているの、本当にこれは現実ですか、夢なんじゃないんですかと疑ってしまうほど。でも現実なんだよな、嬉しいよね、嬉しいな。次に「箱庭ロック・ショー」が演奏されて、「田淵、天才......」と震える。なにこのツアー、あたまおかしいんじゃない、いやあたまがおかしいんじゃなくて、みてるこっちのあたまがおかしくなるツアーだったんだ。それで「フルカラープログラム」で、いやはや、満足という表現しか言葉が出てきませんな。ここまで曲を積み重ねて、「箱庭ロック・ショー」からの「フルカラープログラム」って、はあ、ちょっともうあたまがどうにかなってしまいそう、しまいそうじゃない、しまっているんだよ。で、「場違いハミングバード」の性急なメロディーが流れて最後、私は意識を失いかけた。このパート、緩急のつけかたが頭悪いだろ、聴いているこっちの身にもなってくれよと思うほどに最高すぎて、吐息が漏れる。

 

 

斎藤「ここからライブが終わる終わる詐欺をします。リバイバルなんで、MCも再現します。『踊れる?』」

 

からの「like coffeeのおまじない」。踊るしかない。踊ろうと思う前から勝手に身体は動いている。ライブでめっちゃ映えるというか、え、この曲、こんなにも多幸感に包まれる感じの曲だっけ。照明もパーティーかよと突っ込みたくなるくらいにいろんな色を灯しているし、何より田淵の動きがえぐい。田淵を眺めているだけで秒で曲が終わってしまうから、斎藤さんの笑顔もしっかりと視認して心を落ち着かせる、いや落ち着かない、余計に興奮してしまうこれは何なんだ。そっからの「crazy birthday」。確かにこれで本編が終わってもなんら違和感はない、けれど詐欺が続くということはもうちょっと演奏してくれるんだよね、ねえ、ああ、「crazy birthday」もこんなに気持ちいい曲だってことをすっかり忘れてしまっていたよ。大好き、今この瞬間が大好き過ぎる。「ノーモアhappyたかお」「ノーモアhappy田淵」のぶぶん好き過ぎる、みんなじゃれるなよ。で「kid,I like quartet」からの「リニアブルーを聴きながら」で完全に私は思考能力を失った。ただただ突っ立って、辛うじて前を観て耳を澄ましているだけ、それだけしかできない。それにしても「リニアブルーを聴きながら」の殺傷能力の高さに怯んでしまいそう。これまた当時はそこまで興味がなかった、当時の自分はどんだけ曲の良さを感じることのできない人間だったんだよ、と毒を吐きたくなる。そんでもって「シャンデリア・ワルツ」で本編終了、お疲れさまでした、ずっと大好きでした馬鹿野郎。

 

 

斎藤「このツアーが終わっても、新しいアルバムのツアーが始まるし、ライブをどんどんしていきます。preview公演の次の日に筋肉痛がきたので、今日はこないようにしようと思っていたんですけれど、明日はきっと筋肉痛がくると思います」

 

 

フルスロットルで駆け抜けてきたライブもアンコール。あと少しで終わってしまうという寂しい思いを抱えながら、斎藤さんのMCを聞いて、今日のライブが終わってもまだツアーは続くし、ツアーが終わっても新しい始まる。それが終わってもまた新しいツアーが始まるだろう。ユニゾンはいつだってライブをしてくれてたし、たくさんライブをしてくれているのでたくさんのライブに参加することができた。その時々で素敵な気持ちを抱えることができたし、それは彼らが歩みを止めない限りずっと続く営みなんだろう。

 

 

「君はともだち」で優しく歌い上げる斎藤さん、それを優しく包み込む田淵とたかおの演奏。こんなにも世界は残酷で、こんなにも世界は優しさで満ち溢れていることをいつだってユニゾンは教えてくれていた。「ライドオンタイム」ウキウキした心を「ガリレオのショーケース」でこれ以上ないほどに気持ちよくさせてくれる。「ガリレオのショーケース」のとき、田淵は今日のライブで一番動き回っていたし、たかおは服を顔に被って一心不乱にドラムを叩き続けていたし、斎藤さんもいつも以上に力が入った演奏で、そりゃこんな最高なライブをした次の日は筋肉痛になるだろう。演奏を終え、メンバーがステージからはけて、時計を確認すると20時30分。ちょうど2時間のライブは終わりを迎えた。

 

 

リバイバルツアー、最初は昔の曲だけしか演奏しないからちょっと退屈に思うのかもしれない、楽しめるのかなと少し不安な気持ちがあったが、当時は全力で楽しめなかった曲を、2021年の私は全力以上に楽しめて、こんなにも楽しい世界がこんな時代にもあったんだということを思い知らせてくれた。コロナ禍が酷くなっていて、全国各地で新型コロナの新規感染者数は最大値を更新していて、いくつかのライブが飛んでしまっているが、どうか、どうかこのツアーは最後まで無事に走り抜けられますように。コロナ禍でたくさんのライブに参加したけれど、ユニゾンのライブほど徹底して感染対策を行なっているライブはなかった。どうか、ツアーが無事に終わり、次のツアーに繋がりますように。

 

 

<セットリスト> 

01.to the CIDER ROAD
02.ため息 shooting the MOON
03.cody beats
04.ラブソングは突然に~What is the name of that mystery?~
05.セレナーデが止まらない
06.Miss.サンディ
07.カウンターアイデンティティ
08.オリオンをなぞる
09.光のどけき春の日に
10.いつかの少年
11.クロスハート1号線(advantage in a long time)
12.箱庭ロック・ショー
13.フルカラープログラム
14.場違いハミングバード
15.like coffeeのおまじない
16.crazy birthday
17.kid,I like quartet
18.リニアブルーを聴きながら
19.シャンデリア・ワルツ
EN
20.君はともだち
21.ライドオンタイム
22.ガリレオのショーケース

 

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*1:完全に忘れてましたが、「流星のスコール」も演奏していませんでした...