眠たげな猫の傍で

眠たげな猫の傍で

世界の果てで眠っていたいな

音楽めっちゃ好きな人と結ばれたい

マッチングアプリで出会い、メッセージのやり取りをしている人の大半、というか全員が趣味があまり合わない、というか熱量を持って何かを話せる人がいなかった。私が熱量を持って話せるのは音楽と読書、あとは韓国ドラマで、それらを趣味に挙げる人は何人かいた。でもそれは単なる趣味のひとつとして楽しんでいるだけで、それはそれでもちろん素晴らしいことである。でも、「このままだと来年にはけっこう大きな箱でライブをやりそうだよね」とか、「◯◯は正当に評価されていないよね」とか、「あそこの歌詞、どうやって思いついたんだろう」とか、いや、そういったことをとても話したいわけでないけれど、そういったことを話しても「そうそう!」と同じ熱量で語れるような、「へーそうなんだ」といい加減な相槌で片付けないような、音楽が生活の一部になっているような、生活が音楽の一部になっているよう人と出会いたいなという気持ちは音楽が大好きになった高校生のときからとてもあって、でもその気持ちが叶うことなくこの歳まで来てしまった。

 

 

この間の日曜日にマッチングして、怒涛の勢いでメッセージのやり取りをするようになった美鈴さん(仮名)は、同じ熱量で音楽を語れるような女性だった。ファーストメッセージで「(私)さんのプロフィールは、今まで拝見した中で一番誠実で、とても素敵な方だと思い、是非お話しできればなと思いました!」だったので、彼女の第一印象はとても良かった。学生の時にどんな音楽を聴いていたのか、音楽はどこを重視するタイプか(歌声か歌詞か演奏か)、配信ライブは生のライブとは全然違う、遠征でどこまで行ったことがあるか。そこから家族の話、性格の話、読書の話などを1日のうちにして、自然な流れで「今度お茶をしながら、音楽の話とかしませんか?」と誘うと、「もちろんです。私も(私)さんにお会いしたかったのです」と言ってくれて、その日のうちにLINEの連絡先を交換した。

 

 

その次の日以降も緩やかながら血の通ったやり取りをして、あまりにも共通点が多いので異なるぶぶんを探しましょう、まずは和食と洋食はどちらが好きですか?と美鈴さんから積極的にコミュニケーションを取ってくれてて、なにこれ、なにがおきてるの?と現実を認識できていない私がいた。過ったのが「詐欺」の可能性。「女性の方から積極的に来るのは、十中八九詐欺だと思え」とは地元の先輩の言で、彼も婚活をしている時に詐欺にあった嫌な気分になったという。実は私もつい最近、たぶん詐欺だろうなという女性とビデオ通話をしてて、彼女は積立NISAがどうのこうの、不動産投資はしてるのか、株はどうか、これからやりたいと思うのかということを、世間話そっちのけで話してきて、うんざりした思いがある。でも、でも美鈴さんはそんなくだらない人間だとは思いたくない。彼女は純粋に私に興味を持ってくれているからメッセージのやり取りをしてくれるし、明日会うことも楽しみにしてると思うし、思いたい。明日会って30分ほど話して、「ではちょっとこの書類を見て欲しいんですけれど...」と言われたら、馬鹿にされた気分が昂まった、どうしようもないくらいに悲しくなってしまうだろう。

 

 

そんなことはない、そんな悲しい結末は存在しないと信じながら、明日のお茶が素敵な時間になることを願っている。