眠たげな猫の傍で

眠たげな猫の傍で

世界の果てで眠っていたいな

2021年4月25日(日)

そもそも人が歩けば景色が変わり、その先には人なり動物なり植物なりが必ずいて、何ごとかが起こるのは必定であって、何も起こらなかったということは何も見ていなかったということを意味する。何も見ていなかったのは目的や目的地を持っていたからに違いなく、目的や目的地があるからには、常にそれを意識していなければならないので、目的以外の出来事にはなかなか気づけない道理だ。あるいは目的や目的地があったにもかかわらず、それを忘れて景色を眺めはじめると、当初の目的とは別の思いもかけない場所に行き着いてしまうことになり、その頃にはもう目的があったことなどを忘れるかどうでもよくなっている。裏を返せば目的や目的地というものも、そう簡単に持ち続けられるものでもないということだ。

滝口悠生「楽器」p183,184から引用

 

 

結局、昨日、というか今日眠れたのは午前4時頃で、そんな時間に寝てしまうなら起きるのは午前11時過ぎくらいになるだろうなと予想していたが、ふっと目を覚ますとまだ午前8時で、そんな時間に起きてもやることないしまだ眠たいし演劇があるからもう少し寝ていようでも寝過ごすことはしたくないな、と思って軽く二度寝した。でも午前9時過ぎにはもう十分に眠れる気配がなかったので、渋々起きた。今日は何時に家を出ればいいのかまだ把握してなくて、そもそもどこでやるのかさえも分からなかった。チケットを眺めていたら整理番号がものすごく良くて、こんな良番が無駄にならなくて良かった、こんなに良い番号なら開場時間までには会場に着いておきたい、じゃあ何時に家を出ればいいのかとアプリを使って調べ、まだ時間に余裕があったので朝飯にフルーツグラノーラを食べて、バラエティ番組を2,3見て、ネットをぐだぐだ見てたら家を出る時間になっていた。急いで簡易的なお昼ご飯を掻きこみ、気持ちいい天気の外に体を移動させる。昨日の時点での天気予報では午後に雨が降るようだったけれど、今日の天気予報は晴れになっていて、外を見ても雨が降り出しそうな、今にも泣き出しそうな雰囲気はなく、こんなことなら洗濯物を乾かしておけばよかったと思った。

 

 

駅に着き、電車に乗る。今日から一応、緊急事態宣言が発令されているが、乗車率は昨日と変わりはなく、家族連れやカップルなど、緊張感のなさが感知され、まあそれは自分もそうなんだけれど、去年の4月に発令されたときは戦々恐々としていたのに、今回は国民の意識は緩んでいるように感じられた。それでも商業施設などには休業が命じられているようで、本屋さんでさえも休業しているという事実に呆れ果て、悲しくなった。本屋さんでぺちゃくちゃと話している人を見かけたことがない、話していたとしても必要最低限の会話を小さな声でぼそぼそ話しているくらいで、これはもうなんというか、文化が侵害されていると言っても過言ではないだろうか。私はてっきり、今日からGWの終わりまで本屋さんは開業していないものだと思っていたが、新宿のお気に入りの本屋さんはどちらも開店していて、池袋の本屋も、家の最寄り駅の本屋もやっているようで、国のどうでもいい要請に屈していない本屋、というテーマで小説が一編書けそうなほどであった。

 

 

電車を何本か乗り継いで、「小竹向原」という、今まで降り立ったことのない土地に降り立つ。演劇というイベントがなかったらこんなところに来ることは生涯なかっただろうと思うと、演劇のおかげで私の人生が豊かになっていることを痛感する。駅から劇場までをぶらぶら歩く。なんというか、ここは本当に東京なのだろうかと思うほどにのんびりとしたところで、本山のように、家が犇いているけれど、それなりに栄えているような印象を受けた。ガストを見かけ、大学生の時の頃を思い出して目が潤みそうになった。

 

 

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迷うことなく劇場にたどり着き、観劇する。

 

 

bigpopmonster.hatenadiary.jp

 

 

久しぶりの舞台、初めての劇場、熱演の演者。全てが尊くて、この景色がまた奪われてしまうことが悲しくて、でも今日来れてよかったとしみじみ感じた。

 

 

池袋が近くに会ったので、ちょろっとだけ池袋に立ち寄り、ジュンク堂書店で爪  切男さんの新刊のサイン本を購入して、すぐに電車に乗る。

 

 

 <購入した本>

 爪 切男「クラスメイトの女子、全員好きでした」(サイン本)

 

 

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お昼ご飯はまだ食べていなくて、ものすごくお腹が空いていたので、新宿駅へ着いたら急いで歌舞伎町へと向かった。約1ヶ月ぶりのたかはしのあご塩らーめん。やっぱり美味しいな。何度食べても美味しいし、飽きがこないし、食べ終えた後の満足感は他のラーメンでは味わえないよな。こんなに美味しいラーメンが大盛りでも1,000円以下で食べられるなんて、ちょっとどうにかしているよ。近いうちにまたお邪魔させていただきます。

 

 

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その足で紀伊国屋書店へ向かい、お取り置きしてもらっていた本と、その場で良いと思った本を購入。来月中には読んでおきたいな。これ以上積読がたまっていったら、きっと泣き出してしまうだろう。 

 

 

  <購入した本>

松井玲奈「ひみつのたべもの」(サイン本)
誉田哲也「あの夏、二人のルカ」(サイン本)

 

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家に帰ってごろごろして、お腹が空いて夕飯を食べ、そのあとは滝口悠生「寝癖」を読み、読んで、遂に読み終わった。 ずっと幸せな読書体験だった。あらすじにのらないようなぶぶんが彼の見せどころで、その異常なまでに凝った作りの描写が私のツボに見事にはまり、多分この本が2021年に読んだ本の中で一番好きな本になる自信がある(2021年も全然本を読めそうにありませんが)。それほどまでに滝口悠生という小説家に出会えて本当に良かったし、彼の作品として初めて読んだのが「寝相」で良かった。並行して読んでいる「高架線」は物語的要素が「寝相」に比べると強く、「高架線」が彼の最新作なので、「寝相」のような、一筋縄ではいかないような作品は初期だけなのかな、と思うと初期の作品を読むのが勿体なくなってしまいます。......とか書いていたけれど、そういえば「茄子の輝き」を先月読んでいたことを忘れていた。自分の記憶力のなさに、ちょっと呆然としている。こんなんで30歳になってしまうと思うと、ちょっと、いやだいぶ不安です。

 

 

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10,628歩