眠たげな猫の傍で

眠たげな猫の傍で

世界の果てで眠っていたいな

彼女と4回目の電話

bigpopmonster.hatenadiary.jp

 

 

今回の電話、初めて彼女の方から「電話をしない?」と提案があり、私には予定というものがない、なくなってしまったので、もちろん二つ返事で「しよー」と送った。

 

 

GWの初日、まだ仕事の疲れが取れていないのか、それとも低気圧によるものなのか、夕飯を食べ終わり、鎮痛剤を飲んでも頭の痛みが取れることはなく、ぎりぎりまで、「今日はちょっと体調が悪いから、また今度にしよう」と彼女に連絡しようかと思った。でもせっかく彼女と話せる機会、それをふいにしたくなくて、じっとしながら彼女からの電話を待つ、20時過ぎ。「今、髪を乾かしているところだから、あと10分後くらいに電話できるよ~」とのことなので、どきどきしながら電話が来るのを待つ。もちろん10分きっかりに電話がかかってくることはなく、まだかまだかと待ち構えている時間がとにかくもどかしい。このまま明日の朝まで彼女の電話を待っているのか、それとも......、と悪い方向悪い方向へと物事を考えていたら、彼女から電話がかかってきた。スマホの画面に「(彼女)から電話がかかってきています」という、幸せでしかない表示がされていて、ちょっと深呼吸してから電話に出る。ごそごそ、という音が聞こえ、こちらから「もしもし」と、遠い故郷を思う親のような気持ちで電話に話しかけると、「もしもし」と反応があって、ついつい頬の筋肉が緩む。

 

 

今日の電話こそは彼女の真意を問い詰めるつもりで電話に臨んだけれど、でも、彼女の可愛らしい、可愛らしいじゃなくて可愛い彼女の声を聴いていたら、それが耳から身体を通り過ぎて行って心の奥までその愛おしい振動が辿り着いて、すぐにふやけてしまったので、彼女の話をうんうんうんうん、そうだよね、とまるで彼女の犬のごとく大人しく聴いていた。少しは彼女の事を弄ったり、ふざけたりして自分のペースに持ち込みたかったのだけれど、可愛い可愛い私の彼女とお話しているだけでそんな卑しい考えはどこかへ飛んで行ってしまって、私はその嬉しさ多幸感に居ても経ってもいられなくなって、おもわず大雨の降る外へと飛び出したくなった。

 

 

彼女の日常の事を聴く時間。それだけで私の心は勝手に踊るし、それだけで私の乾ききっていた心はすっと満たされていく。とにかく今日は気難しいというか、彼女に迎合しない話し方をしようと、多少の突き放した感じを、例えば仕事がしんどいと相談されたとしよう。そんなときに、「誰だって働いててしんどいんだよ。自分だけがしんどいわけではないだろ」くらい、ツンツンのツンくらいに突き放してみたら彼女は普段のおっとりとした私とのギャップに萌えるかと思い、でも実際に話しているとそんなツンツンはできるはずもなく、「昨日20時過ぎまで残業したの。しんどくない、大丈夫?」と彼女の体調が気になって気になって仕方がなく、ついつい優しい口調になってしまう。「うん、大丈夫だよ。明日は金曜日だから、朝から元気あるよー」とのことで、ほっと胸を撫で下ろしている私がいて、こんなんじゃいつまで経ってもツンツンすることなんて不可能なんじゃないかと思われる。

 

 

しかしながら、彼女の話全部に迎合するような話し方はやめよう、そんな真似をしていたら私の事を「なんでも言うことを聞く、都合のいい男」と見做してしまい、彼女との間の力関係はみるみるうちに広がっていくだろう。なんじゃそれ。なので、彼女が話す、それを自分の中でしっかりと咀嚼して自分の意見を述べる、ということを繰り返していたのだけれど、普段そこまで意識して話していないので、せっかく貴重な彼女とのお話の時間なのに、自分の意見を考えている時間が非常にもどかしく、でも一度そのモードに入ってしまうとそこからなかなか抜け出せなくなってしまい、だから1時間30分弱の彼女との電話はあっという間に駆け抜けていってしまい、彼女のやらかいぶぶんを存分に堪能することはできなかった。

 

 

そんな調子だったので、「なんで全然会えないの。なんで友達を優先するの。なんでLINEは一日に一回しか返してくれないの」なんて傲慢な考えを吐き出せるわけがなく、ただただ彼女の愛おしい日常を聴いていた。彼女、しっかりした考えを持っているので緊急事態宣言が出てからは隣県を跨いだ行動はしない、だから来週に予定していた家族との旅行はキャンセルしてもらったの、とのこと。そんな、そんなことを言われたら、あと数日で控えている、そして絶対に開催されてほしいと願っているフェスの事、帰省の事、最終日のライブハウスでのライブの事、それらを暢気に「こんなことするんだ」とは言えない状況になって、「(私)さんはGWはどんな予定があるんですか?」と訊かれて、「こんな状況だし、特に何もないんだ。家でのんびり音楽を聴くくらいかな(汗」となってしまっていて、彼女に嘘を吐いていることが心苦しくなって、フェスに参加するのはやめようかしら、でもせっかく一年ぶりに参加できるかもしれないフェスなんだから、主催者だってなにがなんでも開催したいと血の滲むような努力をしてきたはずなんだから、その場所へ行くことをせめて自分だけでも肯定してあげたい。コロナになって、いろんな業界の人たちが苦しんでいて、音楽業界の人が凄く苦しんでいて、ライブとかもまたどんどん中止になっていて、ライブが行けないことに対してオーディエンス側である私は「残念だな」という気持ちで済むかもしれないけれど、主催者である人たちは多大なる損失を被るわけで、そんな状況があと1年も2年も続くのだとしたら音楽業界は死んでしまう、政府、なんで音楽業界を含めて文化に関与する業界への支援を渋るのか、それは生きていくために必要なものではないからか、それならばあなたたちはおうちじかんのときに文化を楽しまないのか、本を読んだり音楽を聴いたりしないのか、もう本当に腹立たしくて腹立たしくて、この文章では彼女との4回目の電話のことを書くつもりなのに、完全にこれは脱線してしまっているのだけれど、ちょっと今まで我慢していたものが我慢しきれなくなってどばっと溢れだしてしまったようです。何も知らないで、自分の勝手な印象だけで音楽業界、ライブハウスを叩いている人がネット上やリアルでたくさん散見されますが、ライブはあなたたちが勝手に悪く思っているようなところではない、そういうことをネットにネチネチ書きこむような連中に限って、マスクをしないで居酒屋でどんちゃん騒ぎを~~~(自粛)。これ以上は何も言いませんが、もし数日後に控えているフェスが吹き飛んでしまったら、私は当分立ち直れないでしょうし、フェスを主催している方々の経営状況が不安で仕方がないです。どうか、なにもわるいことがおきませんように。

 

 

話が逸れてしまったので元に戻します。とにかくそんなわけで、今回の電話も幸せな時間が流れていた。でもあまりにも考えすぎてから発言するので、会話のテンポが普段に比べてちょっぴりおかしくて、それを敏感に察知した彼女は今まで以上に優しい声音になっていて、申し訳ないな、もうちょっとおしゃべりがうまくできるといいんだけれど、と反省する。彼女はとにかく頭の回転が早い子で、次から次へと矢継ぎ早に話題を提供してくれるので、私からすすんで話題を提供しなくてもぽんぽんと会話は進んでいった。彼女は転職を考えていて、でもいきなり辞めると周りの人に迷惑をかけてしまうので、区切りのいいタイミングで辞めるかもしれない、かも、と言っていた。そうなんだ、もし辛いんだったら無理しないでね、という私の意見に対して、「そんな、差し迫って仕事を辞めたいんじゃなくてね。あー、仕事行くのちょっとだるいな、めんどーだな、くらいだからそこまで心配しなくて大丈夫だよ。心配してくれてありがとう」のことで、私はちょっと気を遣いすぎていたのかもしれない。

 

 

私は私の事を必要以上に話さなくて、今回も彼女には自分の話したいことをたくさん話してもらってすっきりしてもらいたいと思っていて。でも、少しは私の事に興味をもって、なんでもいいので質問してくれたら嬉しいだろうな、と思っていた。彼女は自分の話、明日の夜は高校の同級生の家にお泊りするの、来週予定していた家族旅行の日は友達の家にお泊りするの、とのこと。以上。質問の事はいったん隅に置いておこう。えっ、彼女、めっちゃ友達と遊ぶし、泊りがけで遊ぶじゃん?いやまあ、友達と仲良くしていることに越したことはないんだけれど、彼氏を蔑ろにするくらいまで友達とのスケジュールを組み立てられてしまうのはちょっとしんどいというか、これは前から何度も思っていることなんだけれど、私、彼氏じゃなくてただの男友達、もしかしたらそれ以下の存在じゃないのか、と思えてきて、なんだか胸がこうね、きゅうーっと締め付けられる、すごく苦しくて、ああ、これが今後も続くようであるならば、私は私を大事にしないと心が壊れてしまうだろうな、と、そう思いました。

 

 

そんなことを思いつつも、久しぶりに彼女と話す時間は幸せで、だからあっという間に時間が過ぎ去ってしまっていて、彼女の方から、「じゃあ、次はGWのときにたくさんお喋りしようね」という締めで、今日の電話は終わりました。私はもっともっと彼女と話したいことがあって、それは今日の話も表層上の話しかできず、芯を食ったような、彼女の内面のことを訊き出せるようなことができず、物足りないな、こんな心持ちを次会えるまで抱えているのだとしたら、私、私のことを大事にしていられる自信がない、とか適当なことを考えて心を落ち着かせる。電話が終わってからふと気づいたのですが、電話をする前に私を苦しめていた頭痛が完治していて、それは単に鎮痛剤がようやく効いてきたからなのか、それとも彼女と話していることで心身がリラックスして、そのおかげで頭痛がなくなったのか。真意はよく分かりませんが、精神的に参ったりしたときは彼女とちょっとでもお話しできる機会を設けられたらと思っている次第です。月曜日までめっちゃ長く感じるけれど、あっという間に休日は過ぎ去ってしまうんだろうな。