眠たげな猫の傍で

眠たげな猫の傍で

世界の果てで眠っていたいな

彼女と初めての電話

久しぶりの残業でくたくたになった頭はマトモな思考ができなくて、普段はしないようなことをひょいとしてのけた。「もしよかったら、お電話しませんか?」と唐突に彼女にLINEを送った。送った後で、まずかったかな、まだ電話をするような仲ではなかったかも、と焦った。

 

 

bigpopmonster.hatenadiary.jp

 

 

でも、まあ、なるようになるだろうと考えた。そして彼女はLINEの返信が遅いので、もしかしたら明日の朝に気づいて、「すいません、寝ていました」という結果になってしまうかもしれない。それならそれでいい。もし電話ができるようになったとしても、何を話せばいいのか分からなかった。彼女にLINEを送って10分後に、想像していなかった速さで彼女から返信が来た。

 

「電話大丈夫だよ〜!」

 

思ってもいない返信に、私はにやけ顔になってしまった。うかうかしていられない、早く仕事を終わらせないと。普段は定時で帰れるのに、こう言う時に限って残業を、それもキツめの奴を食らうのはなんでだ。「電話ができるのは何時かな〜」と返信してくれるの、本当に可愛くて今すぐにでも仕事を終わらせて彼女に会いに行きたい気分になった。

 

 

僕がどうしても 君に会いたくなった時は
悲しいこと全部ほっぽってさ 身体が軽くなるんだ
多分そうやって人は空を飛ぶのでしょう
未だ見たことない新世界を
見つけることがあるという

UNISON SQUARE GARDEN「空の飛び方」

 

 

気合いで仕事を終わらせて、急いで電車に乗る。

 

「今仕事終わった。あとちょっとで家に着くからね」
「急がなくても大丈夫だからね。私は待ってるよ〜」

 

女神......、と思いながら、いつもよりもだいぶ早足で帰る。21時過ぎになってしまった。何を話そうかどうしようか、という不安はとりあえず横に置いといて、通話のボタンを押した。2回着信音が鳴って、彼女が姿を現した。

 

 

そこからは夢のような時間だった。耳元で彼女の可愛らしい声が常に響いていて、今日の疲れを一気に洗い流してくれた。彼女から自然に話題を振ってくれて、私もそれに合わせてうまい具合に話をして、ずっと幸せだった。話していたことは何気ないことなのだけれど、彼女と話していると全てが幸せ色に輝いていた。今日、生きていてよかった、と心の底から思った。

 

 

やあ調子はどう ハロウハウアーユー?
こちらもう最高です 今日死んだってオーケー

 w.o.d.「モーニング・グローリー」

 

 

話の方向は今度いつ会えるかな、というところで盛り上がった。彼女は来週の水曜日が休みなので、火曜日の夜にご飯を食べましょう。どこで食べようか。私は何時に仕事が終わるか分からない。それならば(私)さんの会社の近くでご飯を食べましょう。その次はいつ会えるかな。10日の夜はいかがですか。ごめん、10日の夜は予定が入っているんだ。だとしたらその次の週の土曜日の夜はいかがですか。それなら大丈夫だよ。実は友達が金曜日から泊まっていて、だからいつ解散になるか分からないので、随時連絡しますね。次はいつ会えるかな。次の日の日曜日は一日中会えるんだよね。それなら土曜日は別に会わなくても、お電話だけで大丈夫じゃないですか。そうだね、そうしよう。日曜日、どうしよっか。何かしたいことはある。水族館はこの間行ったしな。私、ちょっと気になるものがあって。映画を観たいんですけれど。勿論いいよ、観に行こう。時間帯だと吹替の方がいいかな。映画を観終わったらちょうどお昼ご飯の時間だね。お昼ご飯は何が食べたい。うーん、家で食べられないものが食べたいです。うーんなんだろう、悩むな〜。そうだ、焼肉が食べたいです。奇遇だね、私も最近焼肉を食べてなくて、ちょうど食べたいなと思っていたんだ。

 

 

そんなわけで、今後のデートの方針を決められたのが今回の電話の一番の収穫。それに加えて、ゲームの話。最近あつ森をちょこちょこやっているんですよ。僕もやろっかなー、でも今更かな。このゲームはのんびりと自分のペースで進められるので、いつ始めてもいいですよ。そっかー、そうだよな。(彼女)はゲームが好きなんだっけ。好きですよ。Switchだとポケモンとか、あとは今とても気になっているのがモンハンです。モンハンかー。じゃあモンハン買って始めようかなー。えー、いいな、買ったら私にもちょっと触らせてください。そうだね、でもどこでゲームをやろっか。一応外でも出来るだろうけれど。でも今は外ではご飯を食べる以外はタブーみたいな感じじゃないですか。じゃあさ、彼女の家に行って、ゲームをしてもいいかな。いいですよ

 

 

まじか、家に行っていいのか。ゲーム、ありがとう!!!と思っていると、

 

 

5月くらいに来てくださいね、ときちんと釘を刺してくれるあたり、ああ、この子はしっかりしているな、と思う。私の家は友達がたくさん出入りしているので、5月になったらぜひ来てください。

 

 

そんな幸せな会話をしているとあっという間に時間が過ぎてしまうもので、かれこれ1時間も会話に興じていた。

 

 

ではこんな時間になってしまったし、そろそろですかね。えー、明日仕事嫌だー。今週まだ一日しか働いていないの嫌だー。でも働き始めたら一瞬で休日にならないかな。それはそうですけど、でも嫌だー(可愛すぎて悶絶してしまう)。また話しましょう。うん、また話そう。また電話してもいいかな。いいですよ、元気な時だったらいつでも電話に出ますよ。そっかー、嬉しいな。ええと、私からもかけますね。うん、かけてかけて。ではでは、お疲れ様でした、おやすみなさい。おやすみなさい。ばいばい。ばいばい。

 

 

幸せだった。

 

 

 

私に足りていなかったのは彼女とのLINEではなく、電話でしっかりと話すことだった。電話だと周りの音を気にしないで話せるし、居心地のいい姿勢で話していられるので、とてもリラックスして話せる。これから、彼女の負担にならない程度に電話をして、たくさん楽しい時間を過ごそう。もっともっと彼女と、楽しい時間を過ごしたいな。