眠たげな猫の傍で

眠たげな猫の傍で

世界の果てで眠っていたいな

2021年2月14日(日)

今日はいよいよB子さんとのデートである。昨日の夜が遅くなってしまったので、疲労が今日まで遅延していた。万全の状態ではないことに、昨日一昨日の自分を恨んだ。しかし、恨んだところで体が回復するわけではない。出来る限り明るいことを考えながら、午前中は緊張と興奮が綯交ぜになった感情が継続していた。14時に新宿で待ち合わせをしているので、昼飯は早めに摂取した。匂いのきつくないものを食べ、ご飯を食べ終わるとシャワーを浴びて全身をくまなく洗った。不快なものは一つ残らず落すつもりで入念に洗い、お風呂から上がると新鮮な衣類を着て、軽くスプレーをかけた。姿見で自分の姿を入念にチェックして、欠如している、もしくは増大しているぶぶんがないか最後のチェックをした。体のぐったりを除くと完璧の状態になった私は、戦闘服に身を包んで外へと出た。

 

 

bigpopmonster.hatenadiary.jp

 


デートが終わり、ぐったりした体と心を引きずりながらブックファーストへと向かった。どんどん押し寄せてくる後悔の念に苛まれながらなんとかブックファーストへ着くと、一番安心する文庫本コーナーへ急いだ。文庫本コーナーは私を優しく包み込んでくれる、まるで私のことを知り尽くしている旧友のようであった。本を一冊一冊丁寧に眺めていると、昂った感情が少しずつ解されていき、後悔の気持ちが落ち着きを取り戻していった。よくやった、あの瞬間で出来ることはやったはずだ、もう後悔はよそう。後悔するのではなく、あのときにどのように振る舞っていたら、どのような応対をしていたら、どのような話題を振るのが適切だったのかをしっかりと研究しよう。恋愛は勉強と同じで、テストが終わったらそのままにしておかないで、きちんと問題文を読み返して、自分がどこで躓きやすかったのか、どのようにすれば次から上手くいくのかを徹底的に研究すればいい。そういうことを考えられるメンタルになって、ふっと視界が広がった。本屋にはたくさんの人がいて、書店員も客もいて、そこに私がいた。たくさんの人がそれぞれの興味を持った本に向かっていて、たくさんの情報が蓄積された場所に佇んでいることは、どんな居心地のいい布団に包まっているよりも私を落ち着かせてくれた。ようやく元気が戻った私は無性に本が買いたくなって、それも普段は手を出さないようなとびっきり高価な本を買いたくなって、単行本のコーナーを入念に練り歩いた。RADWIMPSの歴史みたいな本があったのでそれを手に取り、あとは文庫本と漫画を数冊購入した。ほぼほぼいつも通りのメンタルに戻った私はいつもの喫茶店へ向かった。店内はたくさんの人が好き勝手振舞っていた。いつもであれば素通りしてしまうその光景は、今の私には刺激に満ち溢れていた。人と人が向き合ってコミュニケーションを取っている姿を見ると、他の人はどのような方法でコミュニケーションを堪能しているのかとても気になった。気になったが、先程のデートのことを忘れないうちにメモしておこうと思い、スマホのメモ帳に記録していった。どんな些細なことでも未来の私が輝けるために、入念に記憶を辿っていった。辿っていくにつれて、また深刻な空気が漂ってきて、でも本屋で吸収したエネルギーのお陰でそこまでダメージは大きくなかった。満足いくまでメモをした。急に知らない人間に囲まれていることを窮屈に感じて、急いで家に帰った。

 

<購入した本>

渡辺雅敏「あんときのRADWIMPS:人生 出会い編」
ケン・リュウ「神々は繫がれてはいない ケン・リュウ短篇傑作選」
門田充宏「記憶翻訳者 みなもとに還る」
七井翔子「私を見て、ぎゅっと愛して(上)」

 


家に着いた時の安心感は尋常ならざるものであった。もうこのまま布団にダイビングして、明日の昼過ぎまでぐっすり眠りを謳歌するんだ、という気持ちでいっぱいになった。今日の反省点を踏まえての今後の戦略を考えたかったが、あまりにも疲弊していたので30分ほど床の上でぐでぇっとしていた。このまま寝てしまおうかと思ったが、興奮は未だ継続しているようで、そいつのせいで睡眠にまでは至らなかった。ある程度体が回復したら起きて、親に電話をした。今は親の声を一秒でも長く聴いて、癒されていたかった。居心地があまりにもよかったので、1時間以上も電話をしていて、お腹が空いたので夕飯としてパスタにミートソースをかけたのを食べた。最近はたらこマヨパスタばかり狂ったように食べていたので、たらこマヨから離れた味を楽しみたかった。夕飯が一段落着いたところで、今日のデートのことを改めて思い返していた。その作業が一通り終わると、次に信頼しきっている恋愛系Youtuberの動画を見漁った。多分こんなことは現実では出来ないだろうけれど、それは他の人にとっても同様で、もしこれらが出来たとしたらライバルに一歩も二歩も差をつけられるのではないか、という気持ちで何本も見た。急激に、「もう恋愛のことを考えるのはしんどー」ってなって、無性に後藤と福徳がじゃれ合っている様を眺めたくなり、しばらくジャルジャルの動画を見た。1時間ほどそれを楽しみ、あーー、今日は自分は頑張った!!!ということを自分に言い聞かせて、マッチングアプリでマッチングしている他の人との会話を一通りこなし、C子さんとのデートの段取りを考えていた。次のターゲットはC子さんである。何度かやり取りをして、次の土曜日の昼過ぎに相まみえることとなった。「実際に会うと想像していた以上にちっちゃいよ?」と牽制をかけてくるC子さん。オーガニック料理が好きという要素は少々地雷感を匂わせるが、恋愛は経験を積み重ねることで成長していくというモットーに従っているので、会うことにした。デートの場所は男性が決めるべきであるが、どのエリアだと良いですか、と質問すると、「ここがいいかな、よく行ってるし。ここでいいかな」とC子さんがすぱっと決めた。そこはオーガニックをふんだんに感じさせる、C子さんのホームであるように感じられた。まあは経験だ、と自分を奮い立たせたが、試しにメニューを見てみると、「これでこの値段......!!!」となってしまったので、お財布には申し訳ない気持ちでいっぱいである。2月、デートをしなければどれほどの本が買えただろうか、と気が緩んだ時にふっと思ってしまうが、いやいやいやいや、デートすることも人生を豊かにしてくれる貴重な経験だよ、結婚したら一人の女性としかデートできないんだよ、寧ろこの期間をたくさんの女性とデートできる「無双」状態の期間だと思って、思い込んで、思い込ませて......くらいの気分でやっていきましょう。明日寝不足なのは本当にやなので、24時を過ぎたら早々に布団に潜り込みました。今日も女の喘ぎ声が響いているよ......。