眠たげな猫の傍で

眠たげな猫の傍で

世界の果てで眠っていたいな

2020年12月3日(木)

「愚かなこの世の不条理に言わせたい、ぎゃふんと言わせたい
欲望、現実が花吹雪
この感情は消さないで もうちょっとだけ輝いて」

 

「箱がない!」と朝からおジイさんが慌てふためいていた。「書類をしまっている箱がないんだけれど、知らないかね」と訊かれたが、その箱の出し入れは私の管轄外であるので知らない。昨日も定時で帰ったが、帰る際に箱が机の置きっぱなしにしてあり、(誰がしまうんだろうな)という疑問はあった。それがどうやら所定の位置に置いていなくて、おジイさんの顔面は蒼白であった。普段はおジイさんんがそれの管理をしているのだが、昨日彼は在宅勤務、なのでそれの管理をしているのは私の同期のZ君であった。本来なら帰る前に彼がその箱を所定の位置にしまわなければいけないのだが、彼はそのことをすっかり忘れて帰ってしまったようだ。彼とは以前、しょうもないことで一方的に「お前は同僚のことを顧みずにさっさと帰ってしまう冷淡な野郎だな。しっかり仕事をしていないとお金を貰えないぞ」といった旨のメールを一方的に送り付けられ、それからはあまり関わらないようにしていた。他人に対して立派な口を利くくせに、自分の失念に対しては寛容で、おジイさんが慌てているのに微動だにせず、まるで自分はこの騒動に関係ありませんといった感じで堂々としていた。彼の目をよく見て見たら、見てはいけない形の瞳孔をしており、数々の奇行もさもありなんと思った。箱がないない騒動は他部署の後輩君がしまっておいてくれたおかげでまるく収まったのだが(彼も箱をしまったことをおジイさんに伝えればよかったのに。ちょっと抜けているところがあるんだよ。ちなみに彼は昨日、私に虚構を伝えた人間です)、まあそんなことがあって、目をぎらつかせながらおジイさんが、「あのね、箱が残っていたら気にかけて欲しいんだよ」と戦々恐々とした声で私に言ってきた。今にも倒れてしまいそうな顔つきをしていた。「それったZ君に頼んだ作業なんじゃないですか。だったらそれはZ君に言ってもらえますか。なんでいの一番に私に注意するんですか。順番がおかしくないですか」と捲し立てると、「でもね君はどうたらこうたらだらだらだらだらだらだら、だから言っているんだよ。勿論他の人にも言うけれどね」と一言で済むようなことに1分以上も時間をかけている、そして伝えたいことがいまいちよく分からない。そりゃ上司も、「あいつは要領が悪すぎるんだよ。同じことを何年続けているつもりだよ!」と起こるわけだ。おジイさんはそのあとにZ君にも注意を促していたが、椅子に座ったままで、「へい、分かりました」とどうでもいいことをあしらうような対応をしていた。まあそんなことがあり朝からちょっとイライラしていたのだけれど、そんなレベルのことが起きるくらいに私の職場は平和で、責任者不在の裁判所のようであった。本当はこんなことをネットに放流するつもりはなかったが、この苛立ちを自分のなかだけに留めておくと苛立ちが腐っていき、生ビールをがぶ飲みしてしまって未来の自分を傷つけてしまう危険性があったので、暇な時間につらつら書いていた。今の職場における一番の悩みは、「この人のようになりたい」と思えるようなロールモデルがいないことで、それは私が今いる職場が腐敗しきっていることの証左でもあった。朝から疲れたので、そのあとは自分を甘やかすことに専念した。

 


昨日は夜遅くまでw.o.d.を聴いて踊り狂っていたので、朝は起きるのがしんどかった。3回目のアラームでようやく起きて、ほぼ無意識で弁当に具材を詰める、フルグラを食べる、スマホでニュースをチェックをするなどをした。うっかりしていたらいつもよりも家を出る時間が遅くなってしまって、駅へと向かうときちょっとだけ小走りになった。今日もぎゅうぎゅう詰め、乗車率が110%ほどの電車のなかで、唯一の希望であるw.o.d.を聴く。昨日、歌詞カードを見ながら聴いていたら急にw.o.d.の音が私の中に潜んでいる闇と奇妙なほどに共鳴して、だから明日のライブが俄然楽しみになってきた。ぎりぎりに会社に着いて、すぐに始業となった。朝イチは上記のおジイさんおろおろ騒動があり、それが落ち着くと淡々と自分の仕事を進めていった。頑張れば昨日のうちに終わりそうな仕事も、今日が退屈にならないために大切に取っておいたのだ。その貯金を丁寧に取り崩していく、その時間はまるで金塊を砕いて売人に売りつける炭鉱夫のプレミアムタイムであった。先週から在宅勤務が再導入されてから、職場に居る人の数がだいぶ減り、空気も以前より澄んでいるような気がする。よく分からない人間との距離もちゃんと確保されており、気分良く仕事が出来ている。「ほれ見たことか。だから在宅勤務は大切なんだとあれほど言っていたのに(誰にも言わず、自分の心の中で反響しているだけでした)」と自分の考えが正しかったことを確認し、また仕事に取り組む。普通のスピードで進めると午前中には終わってしまいそうな物量の仕事だったので、たまに息抜きをしながら午前の時間を過ごしていく。ふと周りを見渡すと、それぞれがそれぞれに仕事に夢中になっていて、互いにそこまで興味を持っていないという絶妙なバランスが保たれているから不協和音が盛大に鳴り響くことはない。極稀にだけど、他人と協調することなど一切考えない、馬鹿でかい音を鳴らしながら法定側を破っている腐った人間がいて、そういう奴は狭い通路ですれ違う時に自分の身を狭めようとしない。自分が存在することが正義だと思っているのだろう、気持ち悪いねえ。そういうくだらない奴と気持ち悪い奴が狭い通路ですれ違って、盛大にぶつかって粉々に砕けてしまえばいいのに。それを見たら大爆笑で、飲み込んだつもりの薬を吐き出してしまうだろう。......疲れているのかな、一人でいることに飽き飽きしているんだよ。

 


そんなことを考えていたら午前が終わり、昼休憩へ。退屈な仕事に飽き飽きしていたので、弁当(唐揚げ、蓮根、純豆腐チゲ、辛味噌)を平らげると、どっぷりとw.o.d.の音楽に浸る。1st Albumを歌詞を見ながら聞いていて、最後の曲である「みみなり」の歌詞に思わずうるっときてしまった。彼らの曲でダントツに好きなのは「1994」と「みみなり」で、明日のワンマンライブでやってくれたらすごく嬉しいな。そもそも持ち曲が少ないので、ワンマンライブの尺なら持ち曲を全て披露できるんじゃないか、とワクワクしている。MCはどんな感じでするんだろう、音源は非常に邪悪な演奏だけれど生のライブだとどんな感じに響くのだろうか。ああ、楽しみ過ぎて体調を崩さないかどうか不安である。

 


満足の昼休憩を終えて、午後の部へ。今日はまだ頭痛が来ていないことに気付く。一昨日昨日は働いているときに頭痛に見舞われて非常にしんどかった。頭痛の原因は寒い中をとことこと歩いたせいで体に負担がかかり、そのせいで血流が悪くなって頭に流れる血液が少なかったから、と推測している。今日はずっと座りっぱなし、たまにトイレに行くときにちょっとだけ歩くだけだから体に負担はかかっていない、だから今のところ頭痛の予兆すらも感じないのだろうか。ずっとこのまま、すっきりした頭で一日を終えたいと思う。午後の部は共有の仕事をのんびりとこなしていく。温かい紅茶を啜って、虚ろな目をしていても誰かに咎められることはない。とっくのとうに、見放されている可能性もあるのだけれど。平和な時間、特に特筆して書くようなことはなかった。コピーロボットは私が存在していないかのように、自分の仕事に夢中になっていたし、井戸端さんは欠番だったので、ちょっとだけ孤独を感じた。各々が自分の仕事に夢中になっていた(ふり)ので、共有の仕事は一向に減ることはなく、仕方ないので私はそいつと向き合うことにした。たくさんの量があったので、一人だけでは太刀打ちできない、助太刀よ早く来てくれ、と思っていたが各々はまだ自分の仕事に夢中になっていたので、私一人で戦うしかなかった。定時になっても各々は共有の仕事に手を出そうとしなかった。もう共有の仕事のことを無視して帰ろうか、でもそんなことをしたらZ君のイキッたメールが送信される可能性が高いので、少しの疲れを背負いながら淡々とこなしていった。これくらいこなせば誰かに嫌味を言われることはないだろう、殆どの書類を私が捌いたんだから、ということを免罪符にして会社を去った。30分と少しの残業だった。なんて楽な職場なんだろう。東京営業時代は定時を過ぎてから仕事が始まる感じがして、残業が日常で、家に帰り着く頃にはくたくたで、なにもできないまま、ただお腹を満たすだけで夜が過ぎていった。そんな日々のことを思うと今の職場はぬる過ぎて、いつか盛大にくしゃみをしてしまうかもしれないけれど、それはそれでいいだろう。

 

 

今日はちょっとだけ寄り道をしましょう。ネットでサイン本の情報を収集してしまったので、まずは東京駅にある八重洲ブックセンターへ。全米図書大賞を受賞した柳美里さんの「JR上野駅公園口」(サイン本)と八重洲本大賞を受賞した全卓樹さんの「銀河の片隅で科学夜話 物理学者が語る、すばらしく不思議で美しいこの世界の小さな驚異」を購入。この時点で至福でぷかぷか浮いてしまいそう。次に新宿東口にある、大変お世話になっている紀伊国屋書店へ。陸秋槎さんの「文学少女対数学少女」(サイン本)(最後の一冊だった!!)と酒井田寛太郎さんの「放課後の嘘つきたち」(サイン本)を購入。それから他の場所に寄ることはなく、真っすぐ家に帰った。

 

 <購入した本>

柳美里「JR上野駅公園口」(サイン本)
全卓樹「銀河の片隅で科学夜話 物理学者が語る、すばらしく不思議で美しいこの世界の小さな驚異」
陸秋槎「文学少女対数学少女」(サイン本)
酒井田寛太郎「放課後の嘘つきたち」(サイン本)

 

 

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家に帰りついたのが20時過ぎ。家にたどり着いてスーパーで買い物をするのを忘れたことに気づく。夕飯、どうしようか......。カレーがあったかな、ないかな。どうかな......。一つだけあった。S&Bが出している「スリランカキーマカレー(中辛)」というのだけがなんとか残っていた。それと冷蔵庫に一つだけあったポテトサラダを食べる。うんまいな、これ。カレーとポテトサラダがこんなにも相性が良かったなんて、今の今まで気付かなかったよ。実家にいた頃は夕飯でカレーが出てくることなんてなかったから、一人暮らしになってようやくその事実に気づくことが出来た。

 

 

 

夕飯を食べ終わってから、下記の文章を読んでいた。

 

rev84.hatenablog.jp

 

とても感傷的な気分になって、親が生きているうち、そう今この瞬間に親に伝えたいことは伝えないと後悔してしまうぞ、と思った。親がもし亡くなってしまったら、当分は立ち直ることができないだろう、それほどまでに親に依存しているのだから。

 

 

なんだか知らんけれど疲れてしまっていて、テレビを見るでもなく本を読むでもなく、w.o.d.を聴くくらいしか出来なかった、貴重な木曜日の夜。ここにきて急にw.o.d.がむちゃくちゃよくて、だから何度も思っているのだけれど明日のライブが楽しみすぎるのです。この期待値を軽々と超えてくるだろうと思えるほど、w.o.d.は頼もしいロックバンドで、こういうバンドがこれからのバンドシーンを牽引していくのだろう、なんて頼もしい存在なのだろうかと惚れ惚れする。まだ2枚しかアルバムを出していないので(demoも何枚か出しているらしいけれど、入手は難しそうです)、2枚のアルバムをこの2週間で徹底的に聴き込んで、明日のライブに乗り込んでいく。ちょっとだけ元気が戻ってきた。

 

 

23時を過ぎて、一人きりの部屋で何をするでもなくぼーっとしている時間こそが人生の醍醐味であるとようやく気づけるようになった、私はちょっとずつではあるけれど前進しているのかもしれない。明日のライブの為に今まで頑張ってきた日々が報われるくらいに、素晴らしいライブに遭遇することになるだろう。生きてて興奮を感じて、それだけで十分だろ?