眠たげな猫の傍で

眠たげな猫の傍で

世界の果てで眠っていたいな

2020年11月25日(水)

「過度の理想と強がりで塗り固めたら笑顔も隠しちゃうでしょう
寒くないけど決して暖かくもないわけで」

 

午前3時に目が覚めて、ふやけた体を無理やりロフトに運び、再び眠りに就く。朝7時。起きなくてはいけない時間だけれど、もうちょっと寝ていたかった。床に寝そべってうとうとしているのは気持ちが良いが、そのあとのことを考えるとそんなことはしてはいけないと分かっているけれど、ついついしてしまうんだよな。ということで、久しぶりに眠気を引きずったままの一日の始まりとなった。普段通りに事が進んで、気付いたら会社に着いていた、始業になった。書類整理は昨日で完全に終わりを迎えたので、さっぱりした気持ちでデスクに着いた。今日中にしなければならないことはない、コピーロボットは休み、だから清々しい気持ちで時間を過ごすことが出来た。今まで溜めておいた仕事をちょろちょろと進めていき、そんなことをしているので心の余裕は万全で、周りの声が普段よりもはっきりと聞こえてきた。大半は仕事と関係のないこと、新しい電化製品を買うべきか、好きな子がいるんだけれどどのようにアタックすればいいのか、柿の種の黄金比率とは、などなどなど小話に話を咲かせていて、その人の声が良く通るので話の内容がするすると頭の中に蓄積されていくのが不快だった。時折、「ひっひっひ」と山姥ばりの笑い声を上げて手を叩いていたので、ここはもしかしたら動物園なのかもしれない、私ももしかしたら展示されている動物なのかもしれない、と不安を抱えた。そんなわけで多少の鬱陶しさを抱えながらも、ちょこちょこと仕事を進めて行ったらお昼休みになった。今日もお弁当を持ってきていた。れんこんごぼうにチキンバー、ワカメごはんに辛味噌、そして純豆腐チゲをもそもそと食べていった。れんこんごぼうはお惣菜のなかでもピカイチに美味しくて、毎日食べても暫くは飽きることはないだろうな、明日も食べたいな、でもれんこんごぼうのためだけに今日スーパーに寄っていくのは面倒だな、という思考が一瞬で駆け巡った。昼ご飯を食べ終えて、ふと昨日の仕事帰りのことを思い出していた。上司に「今日は帰ります」ということを告げると、深刻そうな顔で「大丈夫か。大丈夫なのか」と聞いてきた。何に対しての大丈夫なのか知らなかったが、早く帰りたかったので「大丈夫です」と震える声で答えた。今更になって考えてみると、書類整理ばかりしていて通常の業務に支障が出ていないか、井戸端さんは一向に書類整理の手伝いをしていないが「大丈夫か」ということだったような気がした。井戸端さんは頑固な人なので、私が懇願したところで、「私には私の仕事があるのー」と一蹴されるだけなので、黙々と一人で書類を整理しなければならない。私の下に後輩が配属されるのは当分先のこと、もしかしたら私がいつまでも下のままかもしれない、だとしたら40を過ぎても書類整理で1日が終わってしまうかもな、と馬鹿馬鹿しい妄想に寒気がした。眠たかったので寝てた。昼休みはあっという間に終わった。

 


午後の部も午前の部と同様に時間が緩く過ぎていった。誰も私に話しかけてこないし、私も誰かに用事がないので声を発することがなかった、こんな時間をいつまでも過ごしていたら声帯が衰えてうまく声が出せなくなってしまうだろうな、と寂しい気分になってしまった。研修生は来年の1月に本配属なので、今の場所をどうでもいいと思っているのか、私語を慎む様子が見られなかった。仕事が溜まっているのにそれを見て見ないふりをして、えんえんと同期と話していた、まるで彼らは高級なサロンで優雅な時間を過ごしているようだった。お菓子をボリボリ貪るもの、LINEの返信を考えているもの、話すことにも飽きたのかだらだらとネットサーフィンしているもの、座っていることに飽きたのかデスク周辺をうろうろ歩くもの。まさに無法地帯で、誰も注意しないのもおかしいほどに正常な場所であった。こんな場所にいるくらいなら、のんびりと在宅勤務をしたい。皆の在宅勤務をしたいという気持ちが上層部に伝わったのか、明日から導入されることになり、私も明日在宅勤務をする運びとなった。何をしようか、と一瞬だけうきうきしたが、会社に来たところで何もすることがないのに、家で出来ることが見つかると思うか?と考えたら暗い気分になっていき、ああ、転職した方がいいのか、今のままだといろんな部位が腐っていくだろうに、と悲しくなった。転職したら、私は正常な思考が出来るようになりますか?

 


定時まで周りの賑やかさはずっと続いていて、定時になったらさーっと波がひいていくように一斉に帰っていった。咳払いを一回だけして、私も帰った。今日は恵比寿で特別なライブがあるのだ。私にとって大切なロックバンドの、久しぶりのライブがあるのだ。

 

 

bigpopmonster.hatenadiary.jp

 

 

最高、としか言いようのないライブだった。こんなライブを観る為にたくさんのライブに通っているし、と大袈裟に表現すると生きている。それを改めて実感した。お腹は空いていたが、外食はしたくなかったのでそそくさと家路を急いだ。

 

 

家に帰り着いて、先程のライブの余韻に浸っていて、ああ、早くまた彼らのライブが観たいという気持ちが強くなって、だから12月末に行われる予定のライブが楽しみだし、来年の1月から始まるライブも楽しみで仕方がない。今日はさっさと寝て、明日に備えよう。