眠たげな猫の傍で

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世界の果てで眠っていたいな

『IN to DEEP vol.2 』(climbgrow × Jam Fuzz Kid)@SHIBUYA THE GAME(2020.11.23)感想

SHIBUYA THE GAMEという、初めて行くライブハウスでめっちゃ久しぶりのclimbgrowのライブを観てきました。

 

bigpopmonster.hatenadiary.jp

 

前回のライブから10カ月ぶり。そんなに間が空いてしまうなんて。コロナなんてものがなかったら「CULTURE」のリリースツアーのライブに行っていて、そこで「CULTURE」の曲を存分に味わえていたのだろうか、と思うと悲しくて仕方がありません。でも今日、なんとかライブが開催されて、それを観に行けたのでまあ良しとしましょう。

 

 

Jam Fuzz Kid

 

今回のライブで存在を知りました。音源を聴いてすぐに、「oasisじゃん」と感想が漏れ出てくるほどに、oasisを意識した音楽で笑えてきた。そんなことをするバンドは大抵中途半端なところで終わってしまうのだけれど、このバンドは中途半端にはならない、きちんとUKのロックを鳴らしてやるぞという気概が感じられて、それを音に変換出来ていて嬉しくなった。ライブではボーカルの子が大人のジャイアンみたいな感じで、若いだろうにとても貫禄のある、物おじのしない感じで歌っていて、「もしかしてもしかすると、このバンド、近いうちに売れるんじゃないだろうか」と嬉しくなった。それくらいに存在感のある演奏であったし、なんとまあセンスの良い曲を作っていること。ボーカルの子が歌っている時に両手をポッケに突っ込んで歌っているときには、「ノエルじゃん笑」と突っ込みたくなった、それくらいにoasisを意識しているのに嫌味ったらしさがないってのはすごいことだよな。全部で7曲くらい演奏してくれたのだろうか、最初の頃は盤石の演奏で集中して聴いていられたのだけれど、如何せん英語詩なので意味が分からないし、曲の違いがいまいちよく分からなかったので、最後の数曲はちょっとだけ飽きてしまった。「2日後に俺たちのファーストアルバムが出るから、ここにいる人たちは全員買ってください」とボーカルの子が言っていて、なんだかロックバンドを始めたばかりの初々しいバンドなのだろうか、これから人気が出てくると良いよな、たぶんうまい具合にハマれば売れると思うよ、と心の中で思っていた。曲は素晴らしかったので、知らない曲だったけれど自然と身体が動いてしまったのでした。

 

 

 

climbgrow

 

客電が落ち、SEが流れた瞬間にぞくぞくっと体中に電気が流れるような、そんな興奮を覚えた。メンバーが出て来て、Vo.杉野泰誠がサングラスをかけている姿が無茶苦茶にかっこよかった。一曲目は何でぶち上げてくれるんだ、とどきどきしていたら新作「CULTURE」より「DOOR」をぶちまかせてくれた。先ほどのJam Fuzz Kidの時よりも音圧が強くて、ギターの音が、ベースの音が、ドラムの音が、そして泰誠の歌う声が体を突き刺して揺らす、その衝動で「ああ、ライブハウスに帰ってきたぞ」と嬉しくなった。新曲をいきなりぶちあげてくれて、今日は「CULTURE」からたくさん演奏してくれるのだろうかと期待が高まる。2曲目「THIS IS」で一気に体が動き出す。指定された場所でしか見えないのだけれど、その場所の中でうまい具合に、勝手に身体が動いてくれる。めっちゃ久しぶりの「THIS IS」で既に泣きそうになってしまった。

 

「ロックンロールをぶちまけにきた」

 

と泰誠が言ってから3曲目「LILY」で意味不明なくらいにテンションが上がってしまい、「そうそう、この興奮を待っていたんだよ」と感涙で感情がぐしゃぐしゃになっていく。コロナで自粛自粛になってからどれだけこの曲を聴いて励まされてきたことか。相変わらず馬鹿でかい音で泰誠の歌声が聴きづらい、脳内で勝手に歌声を補完しながら、ギター、ベース、ドラムの音をぐしゃぐしゃになっていく体全体で感じていて、「ああ、やっぱりライブは最高ですな」と溜息が漏れる。休憩する間もなく4曲目「TIGHT ROPE」の、何という存在感の大きい、重厚感のある曲が鳴らされていく。「CULTURE」のリリースツアーが中止にならなかったからたくさん鳴らされていたであろう、「CULTURE」を代表する名曲をようやく生で聴けて、でも既に仕上がっているのは何回かライブで演奏しているからだからだろうか。

 

火が灯る街の中 消えそうな街を照らす様に
静かに燃えてたんだ 終わりは来ない 迎えはこない
長針と短針のない時計 止まったまんまの閑古鳥が
夕焼けに染まる時 戻れない 帰れない

 

という歌詞が甘美に響き渡る、それはイヤホンから漏れ聞こえてくる小さな音ではなく、ライブハウスという場所で爆音で鳴らされているからだろう。何度も何度も聴いている筈なのに、たった一回のライブでこんなにも印象が変わっていくことが面白くて、もっと早いうちからライブで聴きたかった。という感想は今回のライブで演奏された「CULTURE」の曲全部について抱いたことです。ここで一呼吸のMC。

 

「めっちゃ久しぶりじゃないか。ぱんぱんには入っていないようだけれど。コロナの馬鹿野郎が死んだらぱんぱんのライブハウスで会おうな」

 

と泰誠が言って、(でもこれくらい隣と間が空いていると観やすいんだよな。特に最前列なんてぎゅうぎゅうになってしまうから、今は非常に貴重なときなのかもしれない)と不埒なことを考えてしまった。「酔生夢死」、「閃光」(ここで泰誠がサングラスを外す)と「CULTURE」からどばどばと曲を放出していくので、普段のライブとは異なった印象を受ける。まだまだ聴き慣れていないからか、とても新鮮なライブのように感じたし、それは単純にむっちゃ久しぶりのライブだったからだろうか。「MONT BLANC」のイントロが鳴らされたとき、ぐっと来るものがあった。それはこのコロナの時期に何度も聴いて何度も弱くなった心を救ってくれた、大切な曲だったから。じっくりとclimbgrowの演奏を聴いて、これからも何度も何度もライブで演奏してほしい、そのために何度でもあなたたちのライブに行くから、と言う気持ちが強くなった。

 

「今回のライブを企画してくれた人に捧げます」

 

と言って演奏された「MOTHER」も本当に良い曲なんだよな。もっともっとライブで演奏されるべき名曲だし、なんでライブが全然出来ていないんだよ、東京で死ぬほどライブをしてくれよと切に願ってしまう。次に演奏された「窓」は「CULTURE」のなかでトップクラスに好きな曲なので今日演奏してくれたことに感謝するとともに、やっぱりライブで聴くのはたまりませんな、とうっとりしてしまいました。そこからMCを挟んでの「未来は俺らの手の中」で泣き崩れそうになってしまった。サビの所で観客が一斉に手をあげている姿が感動的で、この景色をどれほど待っていたことだろうか、まだまだ状況は厳しいけれど頑張っていこうか、とclimbgrowに励まされているような気がしました。そこから投下された「ラスガノ」で存分に体を動かしてから、泰誠のMC。

 

「股の緩い奴ってここにいますか。いねえか笑。新大久保には股の緩そうな馬鹿がたくさんいたんだよ。俺も馬鹿だけど、俺は品のある馬鹿で、新大久保にいたのは品のない馬鹿だ。この曲の間だけは馬鹿になってくれ」

 

と急にぶっこまれた強めの言葉の刺激が強くて、めっちゃライブで盛り上がることが今日証明された「BANG BANG BANG」の気持ちいいこと。アルバムの曲の中では微妙な曲、この曲が来たら飛ばしてしまうことが多かったのですが、今度からはちゃんと聴いてみようかな。それにしても、馬鹿に対してどれだけ恨みを持っているんだろ。本編最後に「RAIN」を演奏してくれて本当にありがとうございました。曲の最後で勢い余った泰誠がよろけて賢に思いっきりぶつかるも、フィジカルの強い賢が泰誠をしっかりと支えたところが今日のハイライトでした。変な感じで本編が終わってしまったので、アンコールで出てきたときにメンバーは苦笑を浮かべていました。

 

賢、本当にごめん。ベースの音が出なかったらアンコールはなしで

 

と言っていたが、何とか音が出るようだったので、アンコールを再開。いきなりまじめなMCを始める泰誠。先ほどのよろけた姿が脳裏に焼き付いていて、なかなかMCが入ってこない。そのMCではバンドを脱退して、売れないお笑い芸人をやっている元メンバー(今日のライブに来てたのかな)に対するMCで、

 

「お前が作った曲だから」

 

と言って演奏されたのが「風夜更け」。そのへんの事情には全然詳しくないので、もっとその辺の話を今度のライブで聞きたいな。相変わらずの激しい曲を終盤に持ってくるなんて、でもそれを完璧に歌いこなす泰誠は紛れもない、最高のロックスターである。

 

 

ダブルアンコールにも応じてくれて、

 

「たくさんのバンドを蹴散らして蹴散らして蹴散らして、そうやって頂上まで登っていってやる。本物であることを証明してみせる」

 

と恥ずかしげもなくまっすぐな瞳で泰誠が言ってくれるから安心してclimbgrowに着いていこうと思えるんだよ。

 

「めっちゃ懐かしい曲」

 

と言って演奏されたのが「叫んだ歌」。何度も何度も歌ってきた曲だからこそ、鬼気迫るものを感じたし、初期の曲で既にclimbgrowは完成されていたんだな、とライブで聴いて改めて思いました。

 

 

あっという間に駆け抜けてしまった1時間とちょっと。10か月ぶりのライブは満足しかありませんでした。「CULTURE」は何度も何度も聴いてきた筈なのに、ライブで聴くと一気に曲との距離が縮まって、より好きになりました。climbgrowはライブで聴いてなんぼのロックバンドなので、また機会があったらなんとしてでも行きたいし、それがいつになるのかは分からないけれど、また会える日を楽しみにしています。今日のライブで「CULTURE」の曲をほぼほぼ演奏してくれたので実質「CULTURE」のリリースライブみたいなものなのですが、「CULTURE」の中で最も大切な曲だと思っている「ドレスを着て」を演奏しなかったのは、またライブに来て、そこでこの曲を聴いてほしいというclimbgrowの意志の表れなのだろうか(ちなみに「FALL OUT」と「冬の蠅」も演奏されなかった)。早く次のライブの予定を発表してほしい、その予定が無事に実行される世の中であって欲しい、と強く願いながら渋谷の夜を歩いている、そんな最高な夜なのでした。

 

 

<セットリスト>

01.DOOR
02.THIS IS
03.LILY
04.TIGHT ROPE
05.酔生夢死
06.閃光
07.MONT BLANC
08.MOTHER
09.窓
10.未来は俺らの手の中
11.ラスガノ
12.BANG BANG BANG
13.RAIN
EN
14.風夜更け
EN2
15.叫んだ歌

 

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