眠たげな猫の傍で

眠たげな猫の傍で

世界の果てで眠っていたいな

「世にも奇妙な物語 '20秋の特別編」が傑作だった

ここ10年くらいだろうか、年に2回(春と秋)のスペシャルだけの放送になってから、「世にも奇妙な物語」がつまらなくなった。午後9時のゴールデンで放映するということで表現の規制がきつめにかかるようになったことが一因だろうけれど、あまりにもしょうもないものに成り下がった。私が大好きだった「世にも奇妙な物語」は、小学生の頃に再放送が放映されていた1990年代の、まだ表現の規制云々がとやかく言われていない平和な時期の、とにかく鬼気迫る脚本の物語だった。その頃に放映されていた物語で印象に残っているものはたくさんあって、そのいくつかは私の人生に多大な影響を与えた。それくらい私は「世にも奇妙な物語」が大好きだし、ここ10年の「駄作」ばかりを産み出し続けている現状に納得がいっていなかった。今回もどうせくだらないものだろうと思って観始めたら、2作目の「タテモトマサコ」で度肝を抜かれた。大竹しのぶの怪物的な演技も作品の高品質に貢献していたが、脚本の妙が光っていた。この話は何を書いてもネタバレになってしまうのであらすじは書かないけれど、この10年で一番の出来なのではないか。ジョジョっぽさが出ているとネットで騒がれていたけれど、確かにこれはジョジョの〇〇を参考にしたのではないか、と思われるほど酷似していた。そんなことはどうでもいいくらいによく出来た物語だった。ずっと食い入るように観てたし、「私の大好きな『世にも』が戻ってきてくれた」と歓喜した。同じように思ったファンも多いことだろう。また、今回は全てのお話が繋がっているというか、お話のキーとなるものが次の話でさりげなく出てくる、という優れた短編集を観ている気分にもなれた。1作目「コインランドリー」でのキーとなる『言霊』は2作目の「タテモトマサコ」でもキーとなっているし、「タテモトマサコ」でキーとなっている『イマジナリーフレンド』はそのまま、3作目の「イマジナリーフレンド」のキーである。そして「イマジナリーフレンド」でちょろっと出てきた犬の映像が、4作目の「アップデート家族」でも出てくるという、「制作陣、どうして今回はこんなにも気合入っているの?」と嬉しくなるほどの出来だった。これほどまでに気合の入った出来であるということの自信は、前回の放送の最後に今回の予告をしたことに表れていたのだろうか(スペシャルになってから、次回の予告を見たことは今まで一度もなかった)。最高だよ、本当に。最近の作品は一度観たら二度目を観たいと思えるものはなかったけれど、今回のは最初から最後まで通しで観たいと思える出来だった。話がちょっと逸れるけれど、ここ2,3年の「世にも奇妙な物語」は40分弱の作品が3つ、10分弱の作品が1つという、今までとは違う構成になっている(それまでは25分弱の作品が4つとショートショートがいくつか、それ以前は20分ほどの作品が5つでした)。そのおかげで1つの作品をしっかりと描くことが出来、今回の「タテモトマサコ」のような素晴らしい作品が出来たのではないだろうか。今回の放送で一気に「世にも奇妙な物語」に対する期待が高まってしまった。来年の春にどのような作品を持って来てくれるのかが楽しみで仕方がない。それと、1作目の「コインロッカー」のオチはドラマで不完全燃焼でしたが、原作ではそこそこなものなので、もしよかったら読んでみてください。

 

 

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