眠たげな猫の傍で

眠たげな猫の傍で

世界の果てで眠っていたいな

「USG 2020“LIVE (on the) SEAT”」@東京ガーデンシアター(2020.10.14)感想

最後にユニゾンのライブに行ったのは去年の11月1日、ダイアモンドホールで行われた 「Bee-side Sea-side U-side」のライブであった。まさかあの日から次のライブにこんなにも間が空いてしまうとは想像していなかったし、それが着席指定のライブになるとはもっと予想していなかった。それほどまでに日本、世界の状況は厳しいものになっていたし、音楽業界は他の業界に比べてもろにコロナの影響を受けていた。活動休止や解散を選んだバンドがいた。閉店を余儀なくされたライブハウスがあった。そんな状況下で私が出来ることは、一つでも多くの現場に足を運んで、生でライブを観ることである。配信ライブが今の主流になりつつあり、それの幾つかを拝見した。もちろんいい面もあるのだけれど、生のライブの素晴らしさを知っている身としては(早く現場に行きたい)という気持ちが強くなった。本当だったらユニゾンの新譜はもっと早く発売されていたし、今回開催されるライブは新譜のお披露目会になったであろう。こんな状況下でたくさんのスケジュールが延期、中止になってしまったけれど、新譜を発売してくれて、そしてライブを行ってくれるユニゾン陣営には感謝しかない。本当であったら行ける限りの本数のライブに行きたいのだけれど、日程の調整がうまく合わなくて、今回のツアーは今日のライブしか都合がつかなかった。でもこんな状況下でもライブに行けるということは本当に嬉しいものである。最近は簿記の勉強ばかりしていて趣味を満喫できていなくて心が軽く死んでいたけれど、今日の為に9月と10月の前半はなんとか頑張てこれた次第です。

 

 

開演時間が20時30分という遅い時間帯だったので、仕事が終わってから時間を潰すのにちょっと苦労した。こんなことなら早い時間で仕事を切り上げて、1部のライブにも参加したほうがよかったかな、とか思っているほどにユニゾンが大好きです。例え全く同じセットリストだとしても、ライブは一つ一つが違うものなので、ああ、やっぱり無理してでも1部に参加しておけば良かったのかな、とか思い出しているのでちょっと落ち着こうか。

 

 

20時30分を少し過ぎて、この状況下でのライブでの注意点のアナウンスが流れ、それが終わるとともに客電が落ちる。真っ暗な状態で、いつもはSEで流れてくる「絵の具」が流れない。すると真っ暗な状態のままで斎藤さんのアカペラが響いて、「一曲目からクローバーですか?(歓喜)」とその演出にニヤニヤしてしまう。むっちゃ久しぶりのライブのはずなのに、どうしてだろう、そこまで懐かしく感じないのは三ヶ月連続で配信ライブを行ってくれたおかげだろうか。アカペラが終わり、しっとりと曲を演奏していくユニゾン。なんというか、三人が目の前で演奏しているということがこれほどまでに嬉しくて、尊いと感じたのは今年の三月からの異常な状況のせいだろうな。それにしてもやっぱり生のバンドの音は最高過ぎる、好きすぎて一曲目なのにもうこのライブが優勝してしまったような気分だよ。二曲目に「フルカラープログラム」を持ってくるのも反則反則、セトリおじさん、ちょっとペース上げ過ぎじゃ無いですか?とツッコミを入れたくなるほどに、非日常なこんな一日を日常に塗り替えてくれる、そんな彼らの代表曲であり始まりの一曲でもあるこの曲を今回のライブで演奏してくれて本当にありがとう。普段だったら、「またこの曲を演奏するのか。しつこいよ」とぶーたれていたかもしれないけれど、こんなときのライブだからこそ、ユニゾンの真髄のような曲が真っ直ぐに胸を突き刺す。軽快なセッションを挟み(これがまたすごくかっこよいのだ)、なにがくるなにがくる、と期待をしていると「フィクションフリーククライシス」きた。走り回り好き勝手自分のやりたいことをやる田淵を見ていると、自分は普段萎縮し過ぎていないか?もうちょっと自分を出してもいいのでは?と自省したくなるからユニゾンのライブはやめられない。こんなときのライブにこの狂ったような曲をぶちこんでくるの好き過ぎる。そしてこの辺で思ったのが、「ユニゾンが演奏してて、観客が楽しそうにそれを観ている」というのが本当に素晴らしい景色で、なんでこんな素晴らしいものを今まで奪われてきたんだ俺たちは!と憤慨しそうになったけれど、いやいやいや今は最高なライブの途中ではないですかと冷静さを取り戻す。曲の盛り上がるところで観客が必死になって腕を上下させている光景なんて、なんて久しぶりに見る景色でしょうか。今まではそれは当たり前のものだと思っていたけれど、こんなときになってそれがかけがえのない、守らなくてはいけない景色のように思えました。ここまでずっと大好きな曲しかやらないので、ここからのライブはどうなるんだろうとワクワクしながら待っていると、普段はほとんどMCをしない斎藤さんが

 

序盤3曲が楽しくて、既に凄い達成感があります 

 

と軽く話してから、「誰かが忘れているかもしれない僕らに大事な001のこと」へ。この曲がライブの定番だったのかどうかすらあやふやになってしまうくらいにライブに行けてなかったのだけれど、ユニゾン、手加減と言う言葉を知らないらしい。カップリング曲の中でも人気のある曲で、聴いていたら自然と体が動き出してしまうこの曲を演奏するとは、今回のライブはずっと着席していないといけないので、もどかしくてもどかしくて仕方がなかった。この曲でも好き勝手はしゃぎ回る田淵が愛おしくてどうしたらいいの。で、次の曲なんだけれど、演奏が始まった時には一体何が起きているのかすぐに理解できませんでした。待って待って、今演奏しているのセレナーデだよね、私が愛してやまない、「CIDER ROAD」に収録されていて、そのアルバムツアーでは聴いたことがあるけれどそのときは別に好きじゃなくてそこまでだったのだけれど、今年になって急激に好きになってライブでいつか聴けたらすごく嬉しくてどうにかなってしまうだろうな、と思っていた「セレナーデが止まらない」じゃないですか!!!!!嬉しくて、目頭が熱くなる。どうしたんだ、最近のライブでは全然演奏してくれてなくて、すっかり存在を忘れてしまっているのかもと不安だったのに、どうして今日のライブで演奏してくれたんだろう。セトリおじさん、すごく良い仕事をしてくれました。この曲を一曲聴けるだけでも5,000円の価値は十分にあると思います。多分、この曲はライブの定番になるような曲じゃないので次に演奏するのはいつのライブになるのか分からないくらい貴重なので、今回のライブに行こうかどうか迷っている人は是非ともライブに行って、生音で「セレナーデが止まらない」を堪能して頂きたいです。「CIDER ROAD」のライブDVDでしか「セレナーデが止まらない」の演奏を観たことがないのですが、こんなにもかっこいいのか。原曲で既にリミッターが振りきれるくらいかっこいいのに、生演奏だとこんな化け物みたいな曲になってしまうのか。去年の夏のライブで「cody beats」を聴いたとき以来の興奮でした。ああ、幸せです。で、「セレナーデが止まらない」のからの「世界はファンシー」の流れが自然過ぎて、あれ、「世界はファンシー」って「CIDER ROAD」に収録されていたんだっけ、と錯覚してしまうほどに完璧なセトリですありがとうございます。音源では勿論完璧に演奏するのだけれど、この曲はちょっと難しすぎて、演奏の方も歌の方もけっこうしんどそうでしたけれど、そんなことは気にならないくらいに「HAPPY」な曲なので、ずっとテンションが荒ぶっておりました。最高が続くな。それからの「君はともだち」って、もうどうしてこの曲をここで持ってくるんだろう、というのが多くて本当に嬉しい。そうだった、ユニゾンのライブはいつだって驚きと感動で満ちていたんだっけ、久しぶり過ぎてそんな当たり前なことすらも忘れていたよ。先ほどまで頭がどうにかなってしまいそうなほどに興奮していた頭がこの曲で安らぎを得る、優しいメロディーと歌詞に胸を打たれる。ずっと好きだ。

 

 

ここで斎藤さんのMC。

 

「東京ガーデンホールって、言葉の響きから恵比寿の感じがしました。こんな状況なので今回のライブには来ないという選択をされた人もいると思います。新しいアルバムのツアーは別にやります。声を出せないから、『はい』のときは手を叩いて、『いいえ』のときはブーイングして意思表示が出来るようになるといいんだけれど。」

 

の他にも何か言っていた気がするんだけれど、ライブが終わった興奮があまりにも強すぎて記憶が吹き飛んでしまった。

 

「せっかく新しいアルバムを出したので、そこから一曲」

 

ということで演奏された「夏影テールライト」はあまりにも美しい曲で、夏の終わりに原っぱで、ずっと立ち尽くしながら聴いていた気分になった。これからライブを積む重ねていくうちにどんどん成長していくんだろうなと思うと楽しみで、それは「Patrick Vegee」でのリリースツアーで実感することになるだろう。いい曲だ。

 

「幻に消えたなら ジョークってことにしといて。」

 

と歌い終わって、次はアルバムと同じ流れで「Phantom Joke」を投下。発表されてから1年くらい経っているのだけれど、ようやく今日は初めて聴けた。そして、今までの配信ライブではうまく歌いこなせていなかったから、この曲を演奏してくれている嬉しさと、斎藤さんの歌がちゃんと音程を保てるのかどうかの緊張の狭間で変な気分になった。結果は微妙なところで、一回目の配信ライブほどひどくはなかったけれど、音源ほど綺麗に高音が出ていなかった。でもまあ、この曲は難易度が高すぎるので、高音が上手く出る方が珍しいのかも。それにしてもこんな難しい曲をよく作ったよな、斎藤さんが作詞作曲を担当していたらこんな化け物みたいな曲は作ったのだろうか。そんなことはさておいて、音源の時点で「かっこいいなー」と馬鹿になってしまうくらいにかっこいいのだけれど、生での演奏はそれはもう涎が出てしまうほどにかっこよくて、ちょっともう、これからのライブで頻繁にやっておくれよ、そのたんびに涎を垂らしながら興奮するから、とか意味不明なことを考えるほどに大好きな時間が流れていた。10曲目に披露された「徹頭徹尾夜な夜なドライブ」、今回の着席絶対ライブでやるのは反則でしょう、と思うほどに最初から最後まで体を存分に動かしてうずうずしていた。この曲も「フルカラープログラム」と同様、「またやるんですか?」とうんざりしていたはずなのに、今日の「徹頭徹尾夜な夜なドライブ」が最高に感じられたのは久しぶりのライブでも変わらないユニゾンを見せてくれたからだろうね。そろそろライブが終わるんだろうな、という寂しさを感じながら次の曲を待つ。「ライドオンタイム」って、えっ、ちょっと嬉しすぎてまたもや目頭が熱いぞ。この間の配信ライブでBIGMAMAが演奏したから今回のセットリストに組み入れたのか、それとも

 

ミラーボール手玉にとって
この星の3 分の2 を手に入れた気分だ
「大丈夫。まだ生きてるよ」

 

ライドオンタイム
今、宇宙に乗っかって ぐるぐる回るんだ
惑星たちはダンサブル イェイイェイイェイ
ライドオンタイム
ほら、今僕の目の前で 何かが始まって
乗り遅れちゃだめだよって言ったんだ

 

というぶぶんをこんな状況だからこそ田淵は改めて伝えたかったのかな、と思うと目頭の熱は一向に収まる気配がありません。「ライドオンタイム」なんて結構なレア曲で、ライブでなかなか演奏してくれないからやきもきしていたのに、またもやこの曲を聴くためだけに今回のライブに来てよかったと最高に思えるよ。かっこいい、かっこよかった、ああ、ずっと続けばいいのに、こんな幸せで最高な時間も。でもライブは一時間と決められていて、既に11曲も演奏していて、次の曲で終わるんだろうなと思っていたらピアノの音。締めの「harmonized finale」は卑怯だよ。そしてこの曲で今回のライブが終わってしまうことを悟る。ずっと大切なことを歌ってきたユニゾンだからこそ辿り着いた、ユニゾンの極みみたいな曲を置き土産にしていくなんて、本当にズルイな。

 

そうだよ、君にも届くだろう 離れていたって大丈夫だよ 歌ってよ
大切な言葉もさ さりげなく乗せていいかな
ありがとう ありがとう また会えるまで 会える日まで

 

(中略)

 

今日が今日で続いていきますように

 

be with youを懇願して どれくらいだろう
新しい時代へと橋が架かるだろう
何回だってI'm OKまだ立てるから
君を追いかけるよ その未来まで

 

という言葉が私の心をそっとずっと支えてくれているんだ。最後のぶぶんを歌う時に暗くなって、斎藤さんが曲を歌い終わったら明るくなって田淵とTKOがステージから姿を消しているという演出が憎すぎる愛しい。さっと去っていく斎藤さんを見送りながら、今日のライブに行けたことを嬉しく思うよ。

 

 

一時間だからあっという間に終わってしまうんだろうな、という予想は半分当たっていて、全部間違っていた。一時間とは思えないほどのボリュームのライブ、選曲から彼らがこんな時代にどんなことを伝えたかったのかがひしひしと伝わって来て、ライブの余韻に浸りながらまたもや目頭が熱くなりました。今年の三月から自粛自粛でしんどいときもあったけれど、今日までなんとか生きてこれて今日の最高のライブを観れたことで、明日からもなんとかやっていこうという気分になれている。それはライブが日常であったときはそこまで気にしなかったことだったんだけれど、ライブが「非日常」になってしまったこの頃ではなかなか感じられないもので、私はミュージシャンからたくさんの大切なものを貰って生きていたんだなとしみじみ思う。まだまだ予断を許さない状況が続いているけれど、音楽がこれからも生き残っていくのをサポートできれば、と思っています。明日のライブ、今更だけれど行きたいな。

 

 

<セットリスト>

01.クローバー
02.フルカラープログラム
03.フィクションフリーククライシス
04.誰かが忘れているかもしれない僕らに大事な001のこと
05.セレナーデが止まらない
06.世界はファンシー
07.君はともだち
08.夏影テールライト
09.Phantom Joke
10.徹頭徹尾夜な夜なドライブ
11.ライドオンタイム
12.harmonized finale

 

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