眠たげな猫の傍で

眠たげな猫の傍で

世界の果てで眠っていたいな

2020年8月21日(金)

「急くから仕損ずる それも待ったなしの条件下
言い訳して逃げ出しちゃうなら最初からやるなよ
急くから仕損ずる お先真っ暗って言うけどさ
見えないから面白い そうだろ? 明日はどこですか」

 

今週はよふかしのくせが抜けなかった。昨日は、昨日こそは早く寝るぞと意気込んでいて、特にすることもなかったし早い時間帯から眠くなったので、日付を跨ぐ前に寝てしまえばよかった。欲を出してしまった。これじゃ足りない、もっと刺激をくれ、と悪あがきをした。発泡酒を飲んで、なんだかいい気になっていた。結果、寝る気分にようやくなれたのが25時30分で、そういうわけで今日も朝から眠かった7時20分。ぎりぎりまで寝て、アラームを何度か延滞していた。身体中重たいズタ袋を担いでいるような疲労感に苛まれ、会社ではなく整骨院に行きたかった。ごりごりと身体全体を解してもらって、すっきりした気持ちで一日を迎えたかった。気づいたら電車に乗っていて、右手はビジネスバッグを掴んでいた。今日もちょっと人が多くて、でも「コロナコロナ満員満員リモートワークを推奨します!!」といった頃よりは人が多いことに対して恐怖は感じず、それは「これだけ外に出ているのに罹らないんだから、大丈夫だろう(多分)」という気の緩みがあるからである。気の緩みがなかったら正気で電車に乗っていることは出来ず、ぐずつく子供のように「いやだいやだ」と泣き叫ぶだろう。そうこうしているうちに電車に跳ね返されてホームに降り立った。人は皆、軍隊を構成するかのように統率の取れた動きをしており、ちょっとでもそのタイミングを外すと隣の人にぶつかった。舌打ちをされることもなく、そのまま私を肩に乗せて進み続ける様にはさすがに恐怖を抱いたが、それもまあコロナの時代には常識とされることなのだろう。エレベーターがぐんぐん上がっていく、その速度はまちまちで、今日は平均よりもその速度は過剰で、だから耳が詰まった感じになったままで仕事を迎えることになった。オフィスに入ると、既に全社員が集まっていて、それぞれが真顔でそれぞれの正義を振りかざしていた。正義なんて曖昧な概念は、見る角度によってコロコロ変わるものだから、安易に人の意見を鵜呑みにしないようにしている。仕事が始まって、そこそこにすることがあって私は安心した。何もすることがなく、過去の資料をぱらぱらと眺めているのは非常に惨めであり、時間が全然過ぎてくれなくて本当に辛いから。だから、大したことではなくても仕事をして、それなりの速度で時間が流れていくことが好ましかった。

 

 

昼、おにぎりとカップ麺(うどん)を食べ、そこまで眠くなかったので多和田葉子の「犬婿入り」をKindleで読んでいた。以前も読んでいて、そのときの位置で付箋が貼られていたけれど、内容はすっかり忘れてしまっていると思っていたので、初めから読み始めた。読み始めてすぐに、「ああ、この話か」とすぐに思い出したけれど、そのまま初めから読み始めた。多和田さんの小説に出てくる人間は、結構な割合で自己主張が強い人間が多くて、普段の生活でそのような人間と接する機会がないので、珍しいものを見る目で読んでいた。話は面白いと思えるような話題を扱ってはいないけれど、読むのを止められないなにかが詰まっていて、20分ほど集中して読んでいた。昼休みの序盤は鬱屈が凄く溜まっていて、ちょっともうこれはどうしたらいいのだろう激甘なものをお腹いっぱい食べないと落ち着かないかしら、と不安だったが、プロの作品を読んでいたらちょっと落ち着いて、そのまま午後に突き刺さった。

 

犬婿入り (講談社文庫)

犬婿入り (講談社文庫)

 

 

 

午後、緩やかで平和な時間が茫漠と横たわっていた。そこでのんびりしていると、私はいつまでここで、ゆったりとしていられるだろうという不安が付き纏った。いつまでもこんなところでのんびりしていられる筈がない、来月には上司に「ちゃんとしてくれないと困るよ」とせっつかれるかもしれない、そっちのほうがぼおっとしているよりもずっといい気がしていた。だからそんな危機意識を持って業務に取り組んでいたら定時になっていた。定時になったら皆がさっさと会社をあとにしていった。そういえば今日は金曜日で、でも金曜日だからといって予定は何も入っていなかった。

 

 

このまままっすぐ家に帰るのも勿体無い気がして、それでネットを調べていたらウイさんが新刊「エンドロールのその後に」を今日から販売していて、それも渋谷の本屋にはサイン本が置いてあるということだったので、即決だった。渋谷に行くとハチ公前の改札が新しくなっていた、以前行った時から既に新しかったか、以前行ったのはいつだったか。コロナの騒動に見舞われてから、私は軽い記憶喪失に陥っている、今年の3月からの記憶というものがあまり鮮明ではなく、いまだに名古屋に居るんじゃないか、これは長い長い夢なのではないか、と思っている節がある。渋谷の本屋へ行って、そしたらサイン本はあと2冊しか残っていなくて、ぎりぎりセーフだった。元々そこの本屋には2冊しかサイン本が置いてなかったのかもしれない。ほくほくとした気分で、夕飯はどうしようか考えあぐねていた。渋谷には行きつけのラーメン屋はないし、気になっているカレー屋はお昼しか営業していないようだった。なのでネットで調べて出てきた担々麺のお店へ向かった。そこは渋谷というよりは神泉という場所にあって、だから坂を上ることになった。坂を上ってしばらく歩くこと10分くらい、車通りの激しいところに着いて、そこのちょっと奥まったところにお店があった。「うさぎ」というお店で、普段は行列が出来るほどの人気店だそうで、恐る恐る中を覗いたらお客さんは2人しかいなかった。券売機で担々麺2辛(980円)の大盛り(120円)を注文した。5分ほどで出てきた。担々麺の色はえげつないことになっていた。汁を啜ると、すっごく熱いのと、山椒がめちゃんこ効いていて頭が吹き飛びそうになった。新宿の担々麺のお店の、痺れが激しい奴を思い出した、それよりかはまだましだったが、でも痺れはけっこうあった。辛いというよりかは痺れのほうが気になった。でも最後までぺろりと平らげてしまったのは、単純に美味しかったからである。最後の最後まで熱々であったし、麺も担々麺に合う奴で、夢中になって啜った。食べ終わった後にぐっと汗が体中から滲みだしてきて、頭がぼおっとした。だから10分ほど、水を飲み飲みしながら体の火照りが治まるのをまった、結果治まらなかったので火照ったまま帰った。美味しかったけれど、今度来たときは1辛にするだろう。

 

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坂を下って渋谷に戻ると、人がごった返していた。緊急事態宣言が出たばかりの頃は本当に人がいなくて、それを思うとだいぶ緩んできているな(自分も含めて)と実感した。新宿は渋谷ほど緩んでいないような気がしている。怖いので、すぐに改札を抜けて、家路を急いだ。

 

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家に帰りついて、先ほどの担々麺の余韻がまだずっと残っていて、気持ち悪かったので今日もお酒を飲んだ。発泡酒を飲んだが、味が全然しなかった、今日いっぱいは下の痺れが治まることはないだろう。そのあとはべれべれとした時間が流れていた。明日は簿記の勉強をしようと思う。家だと集中できないので、喫茶店でしようと思うのだけれど、果たして。