眠たげな猫の傍で

眠たげな猫の傍で

世界の果てで眠っていたいな

2020年3月2日(月)

朝6時50分、起床。いつも通り、可もなく不可もない睡眠状態を保持しながら、白米にふりかけをかけた簡易的な朝ごはんを食べる。味噌汁もサラダもない、至って質素な朝ごはん。朝のニュースを見ながらご飯を食べていると、「東京に戻ってきたんだな」としみじみ思う。ここから、私の新しい人生が始まっていく。

 

 

想定した時間よりも少し遅れて家を出た。財布がなくて、ないぞないぞと家の中をひっくり回してみても見つからなかった。焦りを二束抱えながら電車に乗る。呼吸も困難なほどにぎゅうぎゅう詰めではないが、リラックス出来るような余白もない。これからこれがスタンダードになるんだ。今はコロナウイルスのせいで出勤時間をずらしているのかもしれないから、夏頃には激混みで、電車に乗っているだけで1日の体力の半分以上を削られるかもしれない。それまでに体を鍛えておきたいのだけれど、ジムにこのタイミングで入会するのは......、と怯んでしまう。家で大人しくリングフィットアドベンチャーでもしようかな。もう1ヶ月近くもSwitchに触っていないけれど。

 

 

会社に着く。エレベーターに乗り、2年前まで通っていたフロアに着く。扉を開ける。見慣れた風景、でも少しずつ、何がどう異なっているのかうまく表現できないけれど、何かが変わっている。すぐに上職者に挨拶を済ませ、自分の席に着く。落ち着かない。自分がこの集落のなかで少しだけ浮いていることが実感できる。そんな違和感は1週間もすればなくなってしまうだろうが、敏感な私は周りの視線がどうしても気になってしまう。どうせ私が想像しているほど周りの人は私のことを気にかけていないだろうに。始業時間になり、「えっと何をすればいいんですか?」状態が数分続く。誰も私に近づいてくる気配がないので、隣の同僚に聞いてみる。「特にまだ君に振る仕事が決まっていないわけであって」と要領を得ない返答。そうか、そうなのか。期待し過ぎていたけれど、そうか、そうだったよな。あまり期待するのはよそう。そうこうしていたらなんとか雑務を頂いたので、それをえっちらおっちらと進めていく。その雑務というものが非常に退屈なものであり、頭を使わずともこなせるものなので、1時間も続けていると頭がどうにかなってしまいそうだった。しかし、頼れる同期は外出しており、誰に何を聞いたらいいのかが分からない状態が続いた。ただ任せられた雑務を進めていくしか私にはすることがなかった。

 

 

あっという間に昼になり、東京時代によく言っていた中華料理屋へ行った。名前が変わっていたので「いやいや」と不安であったが、中身もすっかり変わっていた。異常に気の利く店主、声がデカいお姉さん。最強のコンビはもうそこにはいなくて、見たこともない中国人が淡々と働いていた。悔しいことにメニューは似ていたけれど、久しぶりに食べた回鍋肉は昔の店のそれとは似て非なるものだった。せっかくのお昼休みなのに、なんでこんなにも寂しくなってしまったのだろうか。

 

 

お昼休み終了。午後も任されている雑務をえんえんと続けていく。気が狂うかと思った。いや、実際に狂っていたのかもしれない。前では新入社員の子が新入社員の子とえんえんだべり、周りは黙々とパソコンに向かって何かを打ち込んでいる。出来の悪いホラー映画を観ているような気分になった。こんな日々がこれからも続いていくのかと思うと......、急に寒気がしてきた。いつまでもこんな状態が続くわけがない。少しずつ責任のある仕事を任して頂けるようになり、それらをこなしていくうちに仕事も楽しくなる...はず......。仕事に楽しさを求めるのはお門違いのことなのかもしれない。大した仕事をしていないのに決まって給料が貰えるだけでも有り難いと思いなさい。と言っても、貰った給料の使い道が殆どない。先日、馬鹿みたいに本をどさどさ買ってしまったが、当分は本は買わなくていいくらいに満たされた。もう一つの趣味である音楽、特にLIVE鑑賞というお金のかかる趣味は、現在のところ予定が立っていない。いや、3月開催のチケットはいくつか持っているのだけれど、コロナウイルスのせいで全てが延期、もしくは中止になっているのだ。先ほどもクリープハイプが土曜日の名古屋公演を延期にする、というニュースを見て、「ここまで昂っていた心をどうしてくれようか!」と憤ってしまった。でも誰が悪いわけでもない。ただ、タイミングが悪かっただけなのだ。クリープハイプのライブなんてそんな簡単に行けるものではないので、土曜日はとても楽しみにしていたのだ。そして次の日の日曜日は米津玄師のライブもあったのだが、それも延期。日常における些細な摩擦で生じる、いいようのないストレスをどこで発散すればいいのだろうか?

 

 

話がずれてしまった。定時になり、新入社員が続々と帰っていくのを眺めながら、「明日もこんなにも平和な1日になるのだろうか」と諦めとも期待ともつかないぐちゃぐちゃの感情を抱きながら、さっさと会社を後にした。朝降っていた雨はまだ降っていて、傘を差すのが億劫であった。帰りの電車は通常運転の激混みで、乗っているだけで気分が悪くなった。家に帰り、お腹が空いていたので炊飯器からごはんよそい、適当にふりかけをかけて食べる。それだけだとあまりにももの寂しいので、実家から持ってきていたカップ麺も一緒に食べる。なんてウラ悲しい食卓なのだろう。テレビではアド街が流れていて、全く興味のない街を紹介していたから、流し流しで見ていた。

 

 

夕飯を食べ終え、重たい腰をあげて玄関に向かう。昨日届いた洗濯機を組み立てるのだ。前回は業者に頼んで組み立てて貰っており、今回もそのつもりであったが、業者に頼むと8,000円も取られてしまうので、自分でやるかと一念発起したということである。最初の方はスムーズに進み、「これなら私でも出来るのではないか?」と気を良くしていた。最後の最後、蛇口と洗濯機を繋げる過程でネジがうまく回らなくなった。「こんなもんで大丈夫だろ」と洗濯機を回したらドバドバと蛇口から水が溢れ出してしまった。でももうこれ以上ネジは回らないよ。ああめんどくせえ、やっぱり業者に頼むべきだったのだ。しかしここまでやってしまった手前、業者に頼むのも勿体無いので、Amazonで電動ドライバーを購入した。本棚を組み立てる時にも使うだろう、という安易な考えで3,000円も使ってしまった。こんなことなら最初から業者に......。これ以上考えると悲しくなるので、やめておきます。

 

 

そうそう、無くしてしまった財布なんですけれど。家中を探してもどうしても見つからなくて。焦りが頂点に達しそうになり、「まさかね」と思いながら会社に持っていく鞄の中身を確認していると......なんでこんな所に挟まっているの?と言いたくなるところに挟まっておりました。めでたしめでたし。これからは財布は所定の位置に必ず置いておくことを肝に命じておきます。

 

 

洗濯機と財布のせいで、本が全然読めなかった。もう23時を回ってしまったせいで、明日の準備をそろそろしないといけないのだけれど、一仕事を終えた(正確には何も終わっていない)脱力感が凄いので、もうこのまま布団の上に寝そべって明日を迎えたい。月曜日なのに、月曜日だからこんなにも疲れているのかな。