眠たげな猫の傍で

眠たげな猫の傍で

世界の果てで眠っていたいな

369日目「全ての事が無意味に感じる夜でも」

 

bigpopmonster.hatenadiary.jp

 

 

昨日の件ですっかりくたびれてしまった体でも、朝になったら起きて、家を出て、会社へ行かなければならぬ。不安定な心を丁寧に抱えながら会社へ行き、議事録を整えて、先輩にお詫びをする段取りをしていた。朝は急に慌ただしくなって、気付いたら先輩は外出していた。そして私は上司とともに、長い長いドライブへ駆り出された。

 

 

ぽんこつな車なので、まともに音楽を聴くこともできない。助手席に座っている上司と話そうにも、気持ちよさそうに午睡を満喫している。襲い掛かる眠気に必死になって堪えながら、客先を回っていく。遠い遠い道のりをたどってきたのに、お客様と話している時間はものの数分である。体を休める余裕もなく、「次」と指示してから、少しの間だけスマホをポチポチして、すぐに居眠りの時間。アンテナの調子が悪いのか、FMが碌に受信できず、ほぼ無音で、えんえんと真っすぐの道を走り続けるのは一種の苦行であろうか。隣に上司がいるから、リラックスして鼻歌を歌うこともできず、とても窮屈である。そんな厳しい時間を何時間も過ごし、長い旅がようやく終わり、会社へ戻ったら定時を過ぎてしまっていた。疲れちゃったな、私は車を運転することが主な仕事ではないんだけれどな。斜め前に座っている先輩に、昨日の打ち合わせの議事録の件でお詫びをしなければ。いつもであったらぐだぐだしてなかなか話しかけないのだけれど、定時を過ぎてしまっているのでさっさと帰りたい、という気持ちが逸って、なんとか声を掛けることが出来た。

 

「昨日の打ち合わせの議事録を作っていたんですけれど、分からないところが多々ありまして。申し訳ございません、教えてください」
「ああそこか、それなら俺も分からなかったよー」

 

えーー、それならそうと言ってくれたらよかったのに。昨日の夜遅くの、無駄な悶えはいったい何だったんだろうか。でもまあ、これで昨日の問題から解放されたわけで。さて、やることもないし、先輩に一声かけてから帰ろう。

 

「先輩。何か手伝えることはございますか」
「あ、る、けど。明日やればいい仕事だよ」
「そうですか。では明日やりますね」
「お前、〇〇だな~」

 

〇〇だな、なんていうくらいなら最初から「じゃあこれ今日やっちゃってー」と言ってくれればいいのに。一言多いんだよな、地味に胸に刺さる一言が。でも長時間の車の運転で疲れてしまった私は、一刻も早く家に帰りたかったので、後ろめたさを一心にかなぐり捨てて帰りました。

 

 

家に帰って、誰もいなくて、ふいに眠くなって布団の上で丸くなる。幸せ也。昨日今日と、心身を疲弊させてしまったので、何も考えずにゆったりとしている時間が心地よい。ふと思い立って、本棚に並べてあった楳図かずおの「神の左手悪魔の右手」を読み始める。ああ、気持ち悪い。圧倒的理不尽なホラー。正直、ご都合主義だよな、と思う箇所はたくさん散見されたのだけれど、圧倒的な画力でぐいぐい読ませられてしまった。「錆びたハサミ」「消えた消しゴム」「女王蜘蛛の舌」の3つのお話を読んだけれど、「錆びたハサミ」が群を抜いて気持ち悪かった。あんなもの、思春期に読んでいたらトラウマになってしまいそうだよな、と思いながら、28歳の私が読んでも十分に魘されそうな内容でした。本を閉じて、歯磨きをしたりお茶を飲んでいるときにふと、先ほど読んでいた漫画のコマが勝手に再生されて、無意味に気持ち悪い気分に襲われている。今日は悪夢を見てしまいそうで怖い。

 

 

神の左手悪魔の右手 (1) (小学館文庫)

神の左手悪魔の右手 (1) (小学館文庫)

 
神の左手悪魔の右手 (2) (小学館文庫)

神の左手悪魔の右手 (2) (小学館文庫)

 

 

 

明日会社へ行き、無意味な仕事を淡々とこなし、無難に時間を潰すことが出来たら待ちに待った休日である。早く来てほしい。久しぶりにお昼近くまでぐっすり眠っていたい。私は今週、だいぶ疲弊してしまったのでした。

 

 

5,926歩