眠たげな猫の傍で

眠たげな猫の傍で

世界の果てで眠っていたいな

2020年8月29日(土)

「とめどなく無尽蔵に あふれ出す数多のケース
それでもご丁寧に貼られたラベルは不思議と 似通ってばかりです」

 

朝早く起きた。平日に過剰な仕事をしなかったことと、昨日の夜に夜更かししなかったからだろう。昼過ぎに歯医者の予約をしてあったので、一日の前半は歯医者の事を時折考えながら行動していた。「歯医者歯医者」と考えているのはちょっと鬱陶しかった、まるまるフリーでいたかった。朝早く起きたというのに本は読まず、だらだらとテレビを観ていた。溜まっていたドラマ「私の家政夫ナギサさん」を観ていた。多部未華子が好きなので観始めたドラマだけれど、大森南朋の包み込むような演技が秀逸で、ついつい観入ってしまった。来週で最終回なのは寂しい。最近の日本のドラマは10話で終わってしまうことが多く、物足りない。韓国ドラマの最近のスタンダードは16話で、「愛の不時着」、「梨泰院クラス」も16話だった。一話も1時間以上もあるので、最終回まで観終わった後は心地よい疲労感に襲われる。日本のドラマは時間が限られているせいか、どうにもこじんまりとした感じがしていて、観ててそこまで惹かれない。時間以前に、脚本とか出演者の演技で断念することが多いのだけれど。「私の家政夫ナギサさん」はうまくはまってくれて嬉しい。録画しているけれど1話も観ていない「MIU404」をそろそろ観ていかなければ、と思っているともうすぐ9月になるようだ。

 

 

テレビをだらだら観て、お昼はスパゲティを食べて、だらだらと過ごしていたら時間が来たのでしぶしぶ外に出た。茹だるような暑さで、歯医者に着く頃にはどばっと汗が噴き出していた。外に出る機会があまりないので、ちょっとだけでも外にいると頭がくらくらしてくる。これからも長時間、外にいる機会はないので、今年の夏は夏に慣れることなく終わっていくのだろう。時間通りに着いて、ちょっとしたら先生に呼ばれた。歯の調子はどうか、マウスピースの着け心地はどうか、と聞かれて「問題はありません」とあっさり答えた。そうか、前回歯医者に行ったときは熱いものや冷たいものを食べた時に歯がしみていたけれど、今はそんなことはなく、そんなことで気を病んでいたことをすっかり忘れていた。歯石の掃除をしていただき、そのあとに右上奥のほうにあるぽっこりをそのままにしておくのは駄目だそうで、熱でぽっこりを潰した。痛さよりも熱さでうっとなりかけた。治療が終わると、先ほどまではそこまで気にならなかったぽっこりがさらにぽっこりとしていて、ちょっとこれはどうすることが正解だったのだろうか、そもそもどういった理由でぽっこりしているのだろうか、と謎が深まるばかりだった。2,000円ちょっとを支払って、次の予約をした。次も4か月後の12月に行くことになった、その頃は世界がどうなっているだろうか。コロナが酷くなっていて、歯医者に行けないようなことになっていないといいのだけれど。

 

 

一旦家に帰ってから、また外に出た。今日は池袋に行きたい気分だった。電車に乗り乗りして池袋に着いて、相も変わらずジュンク堂池袋書店へ行った。3階の文芸コーナーをぐるぐると回り、欲しい欲しいと思っていたけれど今日の今日まで買う勇気がなかった「ユリイカ 2019年6月臨時増刊号 総特集◎書店の未来 ―本を愛する全ての人に―」をとうとう買った。一年前に出版された本なので他の書店では状態があまりよろしくなくて見送ってきたけれど、さすがは池袋のジュンク堂、ほぼ新品の状態で置いてありました。ほくほくしながらそれを抱えて、ちょっと早いけれど夕飯にしよう、まだ行ったことのないラーメン屋へ行こう、と思って歩いていたらどばっと汗が流れだしてしまって服がびしょびしょになったので、ユニクロでTシャツを見繕った。それを着て、麺処花田で「辛味噌ラーメン」(900円)を食べた。その前に行列が出来ていたので20分ほど並んでいた、前にいる、おそらく大学生の子たちが必死になって喋っていた、ふとそのおしゃべりに耳を傾けてみると「あいつがどうだ」「そいつがどうだ」と友達の事ばかり話してて、そういう世界もあるのだな、としみじみしていた。店に入って、15分ほどして「辛味噌ラーメン」が到着。スープを啜り、麺を啜り、「う~ん、可もなく不可もない味噌ラーメンだな」とした感想しか持たなかった。ネットの口コミでは「うまいうまい」と絶賛する声がたくさん掲載されていたが、人の味覚は人それぞれなんだな、と当たり前のことを思った。そもそも、味噌ラーメンというのはこういった味が限界なんじゃないか、と思うほどにスタンダードな味噌ラーメンだった。ふと、地元の味噌ラーメンのことを思い出していた。ゴルフの好きな先輩とよく行っていた、名古屋にある「ふくろう」という店の辛味噌ラーメンは、あれはバグった辛味噌ラーメンだったんだな、としみじみ思い返していた。あれが無性に食べたくなって、9月の連休に地元に帰ろうかな、と思った。地元の友達は子育てで忙しいし、こんな時期なので会うことは難しいだろうし、地元に帰っても大してすることはないだろう。でも今日のお利口さんの味噌ラーメンを食べて、無性にふくろうの辛味噌ラーメンを食べたくなった。それと、ラーメンに野菜がどっさり入っていると、野菜の方に意識がいってしまって、ラーメンを純粋に楽しむことは難しいのだな、ということに改めて気づかされた。

 

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人で溢れかえった池袋をあとにして、当然の如く新宿へ向かった。西口の、例の本屋で本を見繕うためである。本屋に着いた頃には既に19時を回っていたので、お客さんは日中に比べると少ない印象を受けた。欲しい本は平積みにされてあった。いつ以来かすっかり忘れてしまった、木下古栗の新刊「サピエンス前戯 長編小説集」を手にとった。2,400円という、決して安くない値段なのだけれど、タイトルを眺めていたらいつも以上の古栗が詰まっているのだろうな、と思ったらそれからは早かった。それとネットで情報が流れて来て、欲しい欲しいと思っていた「本のリストの本」という、本好きならば誰しもが夢見るような本がようやく陳列されていたので、それも買うことにした。2冊で5,000円を超えてしまったけれど、今読みたいと思ったので今買うのが正義だし、本を新刊で買うことでお金が出版社や筆者に流れていき、また新しい本を作ってくれればいいな、と思っていた。そのあとはどこに寄ることもなく真っすぐ家に向かった。20時を過ぎた新宿に吹く風は心地よい温度であった。

 

購入した本

ユリイカ 2019年6月臨時増刊号 総特集◎書店の未来 ―本を愛する全ての人に―」
木下古栗「サピエンス前戯 長編小説集」
「本のリストの本」

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家に帰り着いて、特にすることもなかったのでぼおっとした。ぼおっとしているのももったいないな、せっかく時間があるんだから何かしよう何かしようと思い、1話も観ていなかった「MIU404」の1〜3話を観た。むっちゃ面白くて、24時を過ぎても再生を止める考えが一切なかった。「アンナチュラル」という素晴らしいドラマの脚本家である野木さんの最新作、ということでとりあえず録画しておいて、あまりの期待値の高さにずっと観るのを躊躇っていた。録画が溜まっていくにつれて、「早く観ないとなー」と思い、それでも他にしたいことがあってそちらの方を優先していた。ようやく今日観れたのだけれど、これはとても良く出来たドラマです。警察物はあまり好きではない私でも食い入るように見ていました。一番の見どころは星野源演じる志摩一未と綾野剛演じる伊吹藍のやり取り、メロンパンの車に乗って運転している時の二人のやり取りである。とにかく良いとしか言いようがないくらいに完璧で、「これは演技なのか、それとも素なのか?」と分からなくなるくらいに最高の演技で、二人の掛け合いが始まるとぽおーっとした頭で眺めていた。最近の日本のドラマの捨てたもんじゃありませんね。3話目を観終わって、まだまだ観たい気持ちでいっぱいだったんですけれど、明日も充実した休日にしたかったので、なんとか踏ん切りをつけてロフトに上がって、電気を消したら一瞬にして眠ってしまいましたとさ。

 

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「MIU404」(2020)