眠たげな猫の傍で

眠たげな猫の傍で

世界の果てで眠っていたいな

403日目「身の丈を知れ」

 <今日の労働>

久しぶりに外に出た。先輩から託されている数少ないお客様との用事が発生したおかげである。わざわざ客先へ赴くことはなかったけれど、室内に飽き飽きしていた私はすぐに社内を出た。1週間ぶりに吸う娑婆の空気はなんとも甘美な味がして、今までの私が追い詰められていることが滑稽に感じられた。人生は簡単に変わってしまう。だから軽率な行動で人生が狂わないために、普段からあまり人と接しないようにしている。仕事の悩みの大半は最終的に人間同士の悩みに行きつく、と言われるほどに人は人間関係のトラブルで頭を抱えることが多いそうだ。ときにそれらが精神を蝕んでしまい、洒落にならないことになってしまう。小さいころから人と接することが苦手だった私は、年を重ねるごとに生まれつきくっついていた鎧を強固にしていき、気付けば身動きが取れなくなるくらいまで重厚になってしまった。書きたかったことからだいぶ逸れてしまったので、元に戻す。先日からの異常なまでの冬将軍に怯え、外出する際は着用していなかったコートを着て外に出てみると、そこまで寒くないことに気付いた。風は殆ど吹いておらず、ぽかぽか、という形容がしっくりくる気候であった。普段乗っている電車に乗り、日向を浴びながらうとうとしていると、今まで抱え込んできた物事がどうでもよくなってきた。今死ぬほど悩んでいること、たぶん10年後には忘れてしまうよ。現に、去年の日記を読み返してみたけれど、「こんなことで悩んでいたんだっけ?」とまるで他人が書いたくだらない文章を読んでいる気分になった。今、暇で暇で辛い思いをしているけれど、1カ月も過ぎたらそんな悩みは霧散して、新しい悩み事にあたふたしていることだろう。そう思うと、目の前の悩みに対して真剣に取り組むのは無駄じゃないか、と思えてくる。そりゃちゃんと取り組まなければいけない物事だってたくさんあるけれど、私の人生の中で起きる物事の大半は些事であり、それに拘り過ぎていると大切なものをなくしてしまうだろう。

 

 

単純な仕事しか振られないので、朝始まって30分も経たぬうちにやることがなくなった。今日も暇。一瞬だけ外出したけれど、あまりにも短い時間だったので、外に出た記憶がほとんど残っていない。さすがにこれだけ暇が続くと、暇という状況が常態化して、仕事に対する情熱が消え失せる。「死を受け入れるまでの第五段階」でいうところの第五段階「受容」の状態になりつつある。もうずっと暇なのだ。それなら無闇に暇を否定したり怒ってみたりしても仕方がない。かと言って悲劇のヒロインを演じてみるのも恥である。最後は全てが無に帰す。どんなことをしても暇から逃れられないのなら、もう暇を受け入れようじゃないか。今まで冷たい態度で接してごめんなさい。これからはあなたが過ごしやすくなるよう、万全の状態を整えておくことに専念しておきますね。......ああ気持ち悪い、一体私は何を書いているのだろうか。やっぱり暇は人をおかしくしてしまうな

 

 

 <今日の散財>

 名古屋の中でもサイン本の豊富さでは1位2位を競う「丸善名古屋本店」を訪問。Twitterで見かけて「本当にあるのか」と不安で仕方がなかった幡野広志さんの「なんで僕に聞くんだろう。」サイン本が、あった。えっ、この人ってサイン本を書いてくれる人だったんだ。思わず嬉しくなって、ぎゅっと本を抱きしめる。他に何か良い本は転がっていないかしら、と店内をぶらぶらしていると、綿矢りささんの文庫本「私をくいとめて」のサイン本をあっけなく見つける。「嘘」と思って、まじまじとそれを見てもサイン本だった。ふと、この本が単行本だったとき、新宿の本屋でこの本のサイン本が置かれていたことを思い出した。あれからそんなに月日が経ってしまったのは。時間が過ぎるのはやはり早いな。と、この本も一切の躊躇を見せることなく購入。豊作豊作、とほくほくした心で本屋を後にする。

 

 <購入した本>

幡野広志「なんで僕に聞くんだろう。」
綿矢りさ「私をくいとめて」

 

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<今日の夕飯>

セントラルタワーズ13Fにある「江南」で夕飯を済ます。名古屋駅といえば獅子丸、という王道のルートが出来てしまったばかりに、「江南」はとても久しぶりの訪問である。下手に変化球を食べてもな、という直感を信用してシンプルなラーメンを注文。ものの数分で出てきたそれを夢中で啜る。「ああ、これぞラーメンだよ」と頷きたくなるほど、一切のしがらみから解き放たれたラーメンがそこにあった。シンプル、だからこそ癖になる麺を夢中になって啜り、麺の合間にスープを流しこむ。これが世にいう極楽の境地であるか。ものの数分で食べ終えてしまった。こんなに美味しんだったら、休日の暇な時も通っておけばよかった後悔。次回は少しの変化球を交えた一品を頼むつもり。

 

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<今週のふりかえり>

1週間が途方もないほどに長かった。その長かった時間の殆どを社内で過ごした。見事なまでに心は腐った。もう社会復帰できないんじゃないのか、と不安になるくらいに内へ内へと籠っていた。私はなんともあやうい足場を頼りにしながら、すっくと立ち続けていた。よく発狂しないで金曜日の夜を迎えることが出来た。もう当分はあの仕事の事を考えとうない。「いやいやいや、お前サボっていただけじゃん。一丁前に悩んでいないで、手を足を動かせよ」と内なる正義がやいのやいの言ってくるけれど、それはもう無視してしまって構わない。明日から連休なのだから。久しぶり、いや久しぶりではないな。去年末にライブで行ったわ。正確にはそこそこ久しぶりの東京旅行へ行ってまいります。なので、とうぶんはしごとのことなどかんがえないで、すきなことだけしていくのだ。ハッピーでいいじゃないか、たまには。