眠たげな猫の傍で

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世界の果てで眠っていたいな

My Hair is Bad presents 「サバイブホームランツアー」@Zepp Nagoya(2019.9.27)感想

 

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My Hair is Badを前回観たのが、えっ、一年と半年前になるんだ。まだぎりぎり経理だったんだ。あの日のライブはこれから営業になる、という不安で心がぐしゃぐしゃだったんですけれど、それ以上にライブでの椎木のMCがぐちゃぐちゃだったんで、心が余計にかき乱されたことを憶えています。

 

 

次回、彼らのライブを観ている頃に私はどのような人間になっているんでしょうね。今勤めている会社に残っているのかな。やりたいことを見つけているのかな。早く落ち着きたいな。

My Hair is Bad presents ギャラクシーホームランツアー 感想 - 眠たげな猫の傍で

 

一年半後も私は同じ会社に勤めていますし、一年半前となんら変わらない人間です。っそして、仕事的に全然落ち着いていないことに対して、一年半前の私が知ったらどんな顔をするのだろうか。

 

 

今回のライブは「boys」のお披露目会、ということなので「boys」を何度も聴いたんですけれど。何回聴いても「微妙じゃね...」という感想から逃れることが出来ず苦しかったです。「one」とか「怠惰でいいとも!」とかいうおふざけソングがどうも鼻についてしまって、なかなか通しで聴くこともなくライブ直前まで来てしまって。でもしっかりこのアルバムと向き合わなければいけない、と思って最後まで聴きました。「舞台をおりて」と「芝居」、むっちゃええやん。特に「芝居」の

もしもこれが映画だとして 今日はどんなシーンだろう
ひとつも解決していないから 終わりはまだ先だろう

から続いていく詩がすさまじく美しくて、何度も何度も聴いて、この曲をライブで絶対に聴くんだという意志のもとライブへ行ってきました。

 

 

整理番号が比較的よかったので、前方の壁に凭れながらライブが始まるのを心待ちにしていました。19時ちょうどに暗転して、マイヘアのメンバーが登場。アルバムの曲順通りに「君が海」「青」を披露していく。「サバイブホームランツアー」は始まったばかりなので、そこまで曲が熟成していない印象を受けましたが、逆にその「熟れていない」感じが気持ちよかったりもします。序盤の方で椎木が「Zepp Fukuoka!!!」と叫んで、観客ぽかーん、という状況をニヤニヤしながら観てました。何の作為も感じられない、感じさせない椎木にMCが今回もよかった。特に印象に残っているのが「化粧」の前のMCで、

 

男と女は違う生き物だ。女性と接していると、どこかに強さみたいなものを感じてしまう。「女々しい」という言葉が嫌いだ

 

云々というのが良くて、他の場面でもいろんなことをごちゃごちゃ話していて(透明が一番いい色だとか)。椎木のMCはとにかく長いし、前もって考えていないような話し方なので、その全部を理解できていない。あまりにも長くてごちゃごちゃしゃべっていると、「こいつ何言ってんだ?」と思う場面もあるけれど、そのぐちゃぐちゃなぶぶんも含めて椎木なんだろう。彼がだらだらと話しているときにメンバーはどんなことを考えているのだろうか。

 

 

3曲目に「グッバイ・マイマリー」を挟み、(懐かしい。東京で暮らしていた頃を思い出すな)と感慨にふけっていると、続く4曲目「虜」、5曲目「浮気のとなりで」で、「boys」というアルバムが今までのアルバムと同じくらいに、いやそれ以上に素晴らしい作品なんだということを認識した。音源で聴いているときは「ちょっと微妙かな」と思ってしまう曲でも、マイヘアの場合はライブでその曲を好きにさせてくれることが多い。続く「彼氏として」もその類の曲である。「観覧車」は「boys」の中でも地味曲の部類に入るんですけれど、曲の入りのぶぶんを何かしら足して演奏し、じっくりと曲と向き合ってみると沁み曲になりました。

 

 

「ぶっ飛ばしていくぞ」といった感じの言葉を発して、「真赤」「アフターアワー」をというアゲめの曲を連発していくと、今まで壁の凭れながら観ていることにもどかしさを感じてしまい、後ろからの人の雪崩れ込みのせいもあり、気付いたら結構前に来てしまいました。結構近くで観る椎木は私のごてごての偏見のそれとは少し異なっていて、不器用ながらも必死に生きていこうとしている27歳の青年、という姿として認識されていました。歌っている最中も音源とは異なることをしてみたりする彼は器用貧乏みたいなところがある感じがして、憎めないんですよね。「フロムナオウオン」はちゃんと聴きこんでいなかったので、周りがテンション上がっていて、マイヘアもごりごりの演奏をしているのに、ぽつんとしているのが寂しかった。今調べてみたけれど、この曲は音源化されていないし、ライブのたびに歌詞が変更しているそうです。末恐ろしいな、歌詞はどのタイミングで考えているのだろうか。前もってきちんと練り込んでいるのか、それとも歌っているときに即興で作っているのか。後者だとしたら、一種の才能が爆発してしまっているな。

 

 

マイヘアのライブは長い。椎木も「今日のライブは今回のツアーの中でも一番長いです」と言っていたけれど、単純にライブの時間が長い。それは嬉しいことでもあるけれど、おじさんになって体力を少しずつ失ってきている身としてはちとつらい。途中で会場を後にするのも手かもしれないけれど、それはあまりにも勿体ないし、アーティストに対しても失礼であろう。今回もアンコール含めて24曲披露してくれたし、長い長いMCもズイショで披露していた。ライブ時間はトータルで2時間と少しだったので、満足度は他のバンドのライブの比ではない。酷いアーティストだと、ワンマンライブなのに15曲演奏して満足して帰っていく猛者もいる(曲が短いのに、だ)。それはそれでその人たちの方針だから外野がわいわい騒ぎ立てることではないのだけれど、せっかく時間とお金の都合をつけてライブに来ているのだから、もうすこし演奏してくれてもいいのになあ、と思う時もある。だからなんなんだという話でもあるが。

 

 

「ホームタウン」長えなあ、単調な曲だな、と思いながら観ていたら、次に「芝居」をやってのけてしまったのでびっくりして腰を抜かしそうになった。最後に持ってくるであろうと予想していたので、(19曲目にきたか)と思いながら、その曲の美しさにうっとりしていました。今度いつ演奏してくれるか分からないので、今日このライブに来れてよかったです。「明るめの曲」をということで「いつか結婚しても」を軽やかに、でもどこかしっとりと歌い上げると、「夏が過ぎてく」でライブを締め括る。かと思いきや、最後に私がマイヘアを知った曲でもある「告白」で本編の舞台は終了。アンコールは本編では演奏しなかった、「boys」の中でもすごく好きな「舞台をおりて」を披露し、「名古屋は今日のライブが今年最後のライブだと思うから」と寂しいことをいう椎木をぼんやり眺めていました。最初に彼らを聴き始めた時は「2,3年で忘れ去られてしまいそうなバンドだな」と失礼なことを思ってしまいましたが、今まで発表している曲や今日のライブを観て、「これからも末永くお世話になりそうなバンドだな」と思いました。マイヘアの曲に関して「そうそう!」と共感することは殆どなく、「そんな世界もあるんだー」と物珍しさが勝るんですけれど、それでもワンマンライブに3回も行ってしまうのは、ひとえに曲がちゃんとしていることと、演奏がうまいからなんだよな。マイヘアの音楽ってまっすぐにロックを鳴らしているのでどこか単調になりがちなんですけれど、ドラムの手数か多くて力強くて、飽きないんですよね。最後に「hadaka e.p.」からの唯一の披露となった「惜春」を演奏して今日のライブはおしまい。ライブが終わった後はどっと疲れが押し寄せて来て、それと同時に「いいものを観せてもらった」という満足感でいっぱいいっぱいになりました。帰りに会場限定のCDとDVDを購入しようと物販の列に並ぼうとすると結構な人が既に並んでいて、「マイヘア恐るべし」と思いながら、難聴気味になった右耳を労りながら30分ほど並び、無事にお目当ての品を買えました。

 

 

次に彼らのライブにいつ行けるのかは分からないけれど、もし行けたとしたら今日みたいな満足感に包まれるんだろうな、と考えていると自然と頬が緩んでしまいました。早く家に帰って「boys」を聴き直そう。

 

 

<セットリスト>

01.君が海
02.青
03.グッバイ・マイマリー
04.虜
05.浮気のとなりで
06.彼氏として
07.ドラマみたいだ
08.観覧車
09.戦争を知らない大人たち
10.化粧
11.真赤
12.アフターアワー
13.愛の毒
14.クリサンセマム
15.ディアウェンディ
16.lighter
17.フロムナウオン
18.ホームタウン
19.芝居
20.いつか結婚しても
21.夏が過ぎてく
22.告白
EN
23.舞台をおりて
24.惜春

 

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