眠たげな猫の傍で

眠たげな猫の傍で

世界の果てで眠っていたいな

職場の雛鳥たち

暇なのであろうか。先ほどからネットで何処かの誰かとも知らぬ人間の愚痴がまがまがしいトーンで表現されているブログを見ている。そのホームページのちかちかするような、少しでも近づいてしまったら人間の悪意にどっぷりと浸かってしまって、当分は暗い気分で過ごしてしまいそうな気配が職場に徐々に充満している。そこで上司が近づいてきたのを敏感に察知した雛鳥は、ショートカットキーで即座にExcelの画面を呼び起こし、「今日はひどい雨ですよね」と世間話を振っている。あと30分で定時になるというところで机の整理をし始めて雛鳥。その眼はもう仕事のことなんて考えていない、アフターファイブ(すでに死語か)をどのように過ごそうかという妄想でその頭が満たされているようだ。もうこうなったら雛鳥に怖いものはないらしい。上司が同じ空間にいるというのに堂々とスマホで誰かの呟きを眺め、それに呼応するかのように自分もしょうもないことをネットに吐き出している。きーーーん。定時の鐘が鳴り響くと同時に、既に帰宅の準備ができていた雛鳥たちは出口に殺到して、一斉に外に出ようとするものだからつっかえてしまって出られないようである。他の雛鳥たちよりも初動が早かった雛鳥はなんとかその混雑を抜け、一目散にエレベータへ向かうのだ。どうせ家へ帰ったって、Netflixでありきたりのドラマを見るくらいしかやることがないくせに。