眠たげな猫の傍で

眠たげな猫の傍で

世界の果てで眠っていたいな

電車

電車ごとんごとん。決められた時間に動く電車。たくさんの思い乗せて走る。特に平日の朝は殺気立った人を乗せることが多くて、丁寧に慎重に走るように心がけている。でもここは大都市東京。頻繁に電車は動けなくなる。するとただでさえ不穏だった車内はもう爆発寸前なほどにピリピリとした空気が流れ始める。「いつ動くんだよ」「会社に間に合わねえよ」「どつしてくれるんだよ」「お前今俺のことを見てただろ」「見てねえよ」「痛い、足を踏まないで」ぐっとこらえる電車。動きたい気持ちは山々だが、前が詰まっているのに自分が勝手な動きをしたら取り返しのつかないことになってしまう。数分ぐっと堪え、ようやく動き出した電車。ごとんごとん。時間通りに動いているのが当たり前であると決めつけられていることに、本当は不満を抱いている。外国の同期はいい加減な動きをしているのに恨まれなくていいよな。こっちは朝から夜まで働いているのに、数分でも時間がズレたら不満をぶつけられるんだからな。なんで俺、東京にいるんだろう。田舎が嫌で嫌で東京に飛び出してきたけれど、そこまでキラキラしてないし、東京の雑斬とした空気が合わないんだよな。啖呵切って家を飛び出した手前、地元の路面電車で働きたいなんて今更言えないよな。はあ、もういっそ路面バスに転職をしようかな。給料はちょっと減るだろうけれど、こっちのほうが車内の空気は穏やかだからな。仕事って、その仕事の内容や給料よりも、人間関係が大事って言うし。今の職場はくたびれた先輩しかいなくて、明るい未来を描けないよ。そもそもこんなにも働いていたらそう遅くない未来に過労死してしまうだろうしさ。はあ、明日も3時起きなのにダラダラとネットを眺めてしまったよ。いっそ一時間以上も遅延してみせようか。違う路線を走ってみせようか。そうしたら電車が存在してくれているということに有り難さを感じてくれるんじゃないんだろうか。まあ、そんな世迷言を出来るほどの勇気はないから、そろそろ寝ますよ。今日も大変な一日だったな。次の休みは半年後か......。