眠たげな猫の傍で

眠たげな猫の傍で

世界の果てで眠っていたいな

創作

動かしていた手を止める。眼前に広がる途方も無い文章は紛れも無く私が書いたもので、既にそれらは生命を受けて好き勝手動いている。そんな動き方をしていたら読み手に勘違いされるよ、と注意したくなるような文が意外と高評価をものにする。

 

 

書いた時点でその文章は私からは離れて、勝手に存在する。私が懸命に消しゴムで消そうとしても、器用に逃げ隠れ、気づいたら編集者のメールアドレスに送信されている。長い長い過程を経て、ようやく雑誌に載ったそれは背筋をピンと伸ばしている。少しでもカッコよく見せようとしているその姿がたまらなく可愛い。夜中、うんうんと唸って唸って書き上げた文章がいっぱしの雑誌に載っている姿を見ることほど幸せなことはない。私の元から離れ、たくさんの苦難を乗り越え、そんな大層な場所で立派に立っている姿を見ると、たまに涙が出そうになる。

 

 

どれだけの文章を書き上げたことだろう。たくさんの文章を書いて、書いて、書き続けた20年だった。これからもたくさんの文章を書いて、自分の書いた文章に多くの刺激をもらうことだろう。これだから文筆はやめられない。