眠たげな猫の傍で

眠たげな猫の傍で

世界の果てで眠っていたいな

205日目「清算清算」

初めから何事もなかったかのようにやり直そう 全てをゼロにして初めからやり直す  分からないことを分からないままにした過去は過去  こっからは分からないことは即分かることにしていく  自分である程度考えて分からなかったら先輩に訊く  先輩に訊くという行為を私はしてこなかった  分からないということを先輩に知られるのが怖かった  あいつは出来ない奴だと見下されるのが怖かった  分からないことを訊かずにいつまでたっても程度の低い仕事をしている方がよっぽどみっともないことに薄々気付いてた  訊くのがめんどくさかった  もうそんなことは言っていられない  あと少しで5年目に突入する  5年目  あっという間だったな  特にこの1年はあってなかったような1年だった  休職の期間を含めるとまるまる1年ではない  リハビリの期間を含めると実質半年間の気分でいる  そんな気分にいる場合じゃない  「分からないことがあったら直ぐに連絡してくれ」  私が今の職場にきちんと仕事を教えてくれればよかったのに  今更優しくされても遅いんだよ  「この日雇いが」と罵られたいあの日々が懐かしく感じられる  まああんな時期に戻りたいなんて一切思わないが  ただ未来の自分にとって今の私も戻りたくない過去だろう  消し去ってしまいたい過去だろう  君の力が万能ならいっそ今を消し去って  私をそちらの世界まで連れ去ってくれないか  こちらの世界はもう飽きた  いいんだ いつまでも地団駄を踏んでいると前に進まないばかりか靴底が馬鹿に磨り減ってしょうがないんだ  会社に戻ろうとしない先輩  それを声高に非難する後輩  ぎすぎすした職場  あそこに帰りたいとは思わない  別に和気藹々の押し付けみたいな職場を所望しているわけでもないけれど 冷たいと暖かいのちょうどいい感じの狭間で働きたい  そんな絶妙なスポットは夢幻の世界だと思うけれど  求めてしまうのが不完全な人間の性だ  Tempalayの音楽に溺れていく  ずぶずぶとその底なしの沼にハマっていく  ここはだれ私はどこ  いつまでも浸っていたい中毒性の強い音楽  これとThe fin.のライブをいっぺんに観れるなんて  合法ドラッグの極み  堂々と世間に放出してはいけない類の音楽  聴けば聴くほど自分の居場所がぐらぐら揺らいでいく気持ちいい  どんくらい悩めば気は済むのかい  「あいつは俺よりも厳しいから」  それを聞いてどうしろと  会う前から身構えておけと  人の評価は自分で決める  他人の色眼鏡なんかに左右されたくないさせない  厳しいとしてもそれを押し付けるほどに仕事が出来るようになってみせる  しょうもないことで怒られるなんてまっぴらだ 君もそうだろう  私はいつだって怒られることが嫌いなんだ  「俺は怒られることに慣れているんだ」  それは自慢かい  そんなことを誇ってマウントを取ってもしょうがないだろ  私は他人にしょうもないことで怒られたくない  だから死なない程度に努力して勉強してレベルをがんがん上げて  厳しいと評判の先輩からガミガミ言われない極地に最短で進む  そこまで行って「あいつは気に食わない」と言われたらそれはそれ  そんな奴に気に入られるために無駄な努力はしない  しかし私が所属している会社はごますりすりが上へ行く手段として有効な古臭い価値観をぎゅっと抱え込んだ会社だから  ごますりすり上手い奴が上へずんずん行く  上へ行きたい奴は勝手にどうぞ  私は別に自分に無理を強いてまで上へ行こうとは思わんぜ  不必要に責任を押し付けられるのも私の性分には合わないし  適度な立ち位置で自分の好きなように  ある程度は自由度の高い位置で仕事をしたい  仕事をするということがどのような感覚なのかは雑務ばかりしてきた私には未だ見当はつかぬ  早く仕事が出来るという極地に辿り着きたい  最短で  最速で  いい上司に恵まれるとともに  私も少し無理してでも成長を促すような行動を取らんとあかんのだわな

 

 

花見  午後イチから場所取りの必要はない  飲む酒  回るアルコール  もうすぐ4月とは寒さはなかなかに堪える  1時間も経てば飽きる  帰りたい  こんなことしてるよりデスクでカタカタやってる方が楽  次々に現れる登場人物  9割が初めて見る顔  とりあえず会釈する  とりあえず名刺交換  誰  帰りたい  徐々に人が集まってくる  帰りたい  箸とかコップとか飲み物とか用意するの面倒  自分でやってくれ  先輩はテキパキと動く  あいつは全然動かない  「大物だな」というあいつへの評価  いやいやただ仕事をさぼっているだけだろ  個性であいつのサボりを許すな  緩い進行  誰だか分からない人と初めましてと来月の異動の話  してて面白いのか?  酒はもう飲みたくない  どんと前に置かれた日本酒  高い酒だから飲まないのは勿体ない  でも明日は朝から区役所へ行くからセーブ  途中どうでもよくなる  予定より早く終わる花見  ゴミを捨てる  駅へ向かう  家へ着く  異常なまでの安心感  金曜日のような気分  実質今日が東京での最後の仕事  今日の出来事はたぶん来月には忘れる  昨日今日とニコのライブが六本木でやってる  行きたかった  新しいアルバムを披露しているのか  次のアルバムはどんな仕上がりなのか  既発曲が多いのは嫌だな  今回のツアーが新しいアルバムのツアーだったら嫌だな  きちんと曲を聴きこんでライブに行きたい  最後にニコのワンマンに行ったのはおそらく幕張メッセのあのライブ  箱で見たい  小さな箱で見たい

 

 

やけに耳の火照る  2日連続の飲みはきつい  明日が休みだから我慢できた  客先との飲み会は残業に含まれないなら飲みたくはない  出来ることなら自分のペース以外でアルコールを体内に入れたくない  他人から薦められるアルコールほどきついものはない  アルコールを受け入れる体質なのかどうかは日々の微妙な匙加減で変わる  正直自分でもよく分からない  今日はいけると思ってもあとでアルコールが全速力で追いかけてくるときもある  そんなときは耐えきれないほどの頭痛に苦しめられる  その度に「もう酒は飲みたくないよ」と思うのだが  この社会で生きている限りアルコールから逃れることは容易いことではない  強固な意志がないとアルコールの勧誘を跳ね除けることができない  家で黙々と自分一人の時間を過ごしたい  部屋で一人きりでいることが最上のストレス解消法  外なんて出たらどんなに美味しいものを食べてもどんなに優れた文化に触れ合っても体力が尽きてバテて辛い  体力がちょこんとしか残っていないのが辛い  どうしたら体力がつくのか教えてほしい  エアロバイクをやった  筋トレをやった  ヨガをやった  水泳をやった  体力は全然変わらない  休日少し歩いただけで不機嫌になるほど疲れる  疲れない人が羨ましい  おそらくだけど体に力が入りすぎている  ふっと息を吐いて身体中に張り詰めた神経を緩める勢いで毎秒毎秒やっていくしかこの肩の容赦ない凝りは解れることはない  この肩凝りのせいでどれほど私は体のだるさと頭痛に悩まされてきたことか  どんな状況でもふにゃふにゃとした体でいられる強靭な精神が欲しい