眠たげな猫の傍で

眠たげな猫の傍で

世界の果てで眠っていたいな

183日目「会社に来る意味が分からなくなった」

始業前に仕事を振られたくないので、遅刻しないぎりぎりのラインに出社するようにしている。ぎりぎりに会社に来ても、「ちょっとこれコピー取っといて」といった下らない仕事を振られることがある。そのときは嫌々な気持ちが露見しないよう、顔にむりやり笑顔を浮かべて「かしこまりました!」とはきはき言うようにしている。そんなふうに振舞っていても私の仕事のしたくなさが知らず知らずのうちに表れてしまうのか、先輩から勤務態度を詰られることがある。「お前の仕事には優しさが込められていないんだよ」そんなことを仰るような先輩に限って、悪態をつきながら仕事をしていることが多い。「ふっざけんなよ、ふぅ」とか、「なんでおれがこんなことをしないといけないんだよ、ふぅ」とか。それに舌打ちを頻繁にしているものだから、彼が静かにしていると「大丈夫かな」と心配になってしまう。もっと自分の気持ちを曝け出してもいいんだよ。直近の先輩が彼じゃなかったら、少しでも懇切丁寧に指導してくれる人が教育係だったら、少しは営業をやってみたいと思ったのだろうか。営業に配属されて何度も思ったことは「営業なんてやりたくないな」ということだ。営業のことを考えると、会社の汚れ仕事だよなと悲しくなってくる。それでも営業として懸命に働いている人が多くいるので、少しばかしは彼らに尊敬の念を抱いている。しかし、大半は「頭が麻痺しちゃったのかな」という哀れみの目で見てしまう。そんな風に屈折した思いを抱えているものだから、未だに営業という仕事に腰を据えて取り組もうという気分にならないんだろうな。

 

 

会社にいてもやることがない。自分から仕事を生み出せるほどの境地に達していないし、懇意にしているお客さんもいないので、自分の力ではもうどうしようもない。八方塞がりである。先輩、私を助けてよ。そのような私の状況を知っているのかどうかは知らないが、職場の人間には完全なる放置プレイを食らっている。気付いたら社内に私だけしかいないような状況が多々あり、これが想像以上に堪えるのだ。先輩に手伝う仕事があるかどうか訊くと「ないよーーー」という発展性のない返答ばかりで一向に埒が明かない。そんなもんなので、たまに発生する些事と呼んでも差し支えないような仕事を丁寧に丁寧に仕上げることに精を出している今日この頃。空しくなるぜ。この仕事が終わったらまた何もない時間がやってきてしまうと想像しただけで怖いので、30分もあれば終わりそうな仕事を2時間以上かけてやっている。さすがにこんな仕事の仕方はちょっとまずいかなと罪悪感を抱えていると、冷凍庫はいけしゃあしゃあと「そんな仕事にそんなに時間をかけてんじゃねえよ!」と詰られる。私がなぜこのような仕事をゆっくりと進めているのか、ということまできちんと考えてから発言してもらえませんかね?「頼みたい仕事があるから、それはささっと終わらせて。分かんなかったら、あんまり悩まないですぐに俺に聞いてね!」というような頼もしい言葉をかけてくれるのなら、私のか弱い心はどれだけ救われることだろうか。そのようなことをしていただいた、という記憶が一片もないということは、私が所属している部署のレベルはそういうことなのだろう。いや、私が仕事ができないからこんなしょうもない嫌がらせをして会社を嫌いにさせ、自主退職をさせようとしているのではないか?そんなにも疑り深くなってしまった自分という卑小な存在がすごく空しい。先日まで忙しい時期があって、その時は「放置されているほうが楽だな」と思っていたけれど、放置は放置で忙しい時と比べて違う苦しみがありますね。どちらがしんどいとか比較できない。冷静な判断を下せないほどに、私の脳は麻痺している。