眠たげな猫の傍で

眠たげな猫の傍で

世界の果てで眠っていたいな

演劇と読書、そして現実と向き合うこと

今日も睡眠を貪っていた。昨日はライブではしゃぎすぎてしまったせいで、結構疲れてしまったようだ。11時過ぎに重たい体を無理やり起こして、電気会社の訪問に寝ぼけた頭で対応して、昨日買った本のことをぼんやり思っていた。

 

 

<購入した本>

 

世にも奇妙な君物語 (講談社文庫)

世にも奇妙な君物語 (講談社文庫)

 
不思議の国の少女たち (創元推理文庫)

不思議の国の少女たち (創元推理文庫)

 
ヌメロ・ゼロ (河出文庫 エ 3-1)

ヌメロ・ゼロ (河出文庫 エ 3-1)

 

 

 

そして、昨日図書館で借りてきた「狭小邸宅」のせいで少し夜更かししてしまったことを後悔していた。あんなパワハラが横行している会社が存在しているなんて信じたくないけれど、ニュースなどを見ていると小説で出てくるようなパワハラは現実に存在しているようで、それを考えると私が現在勤めている会社はまだまともなほうなのかとも思えてくる。いや、不動産業界の営業として描かれているあの会社が異常なだけだと信じた。私が世間知らずなだけで、もしかしたら社会というものはハラスメントが横行している、そんなくだらないところなのかもしれない。

 

 

眠気眼をこすりながら、早稲田にある「早稲田小劇場どらま館」で「ロロが高校生に捧げるシリーズ いつだって可笑しいほど誰もが誰か愛し愛されて第三高等学校 vol.7「本がまくらじゃ冬眠できない」」を観劇。この演劇ですごく惹かれたのは、本棚に置かれてあった本のチョイスがとてもイカしていたこと。そして、劇中で使用される本もこの上なくチョイスがよかった。今回の演劇で尾崎翠の「第七官界彷徨」という本を知って、物販で衝動買いしてしまった。図書館を舞台にしている時点でもう最高なのに、演劇の内容、そして俳優の演劇も抜群にチャーミングで、あっというまに1時間が過ぎてしまっていた。劇を始める前に俳優自らが10分以内に舞台のセットを準備するのだけれども、そこも秀逸で、惚れ惚れとしながら観ていました。もうなんだろうな、本好きにはたまらない演劇でした。それにしても、島田桃子さんの自由奔放な演技に惹きこまれてしまって、また一段と好きになってしまった。本当にすごいんだよ、表現力が。素人の目から観てもこんなにすごいと感じるのだから、プロの方が観たら大変なことになるんじゃないでしょうか。次回のいつ高も楽しみしつつ、ロロ本体の舞台も楽しみにしてます。

 

 

<劇中で使用された本(一部)>

 

君の話 (早川書房)

君の話 (早川書房)

 
ものすごくうるさくて、ありえないほど近い

ものすごくうるさくて、ありえないほど近い

 
あなたはここで、息ができるの?

あなたはここで、息ができるの?

 
オブジェクタム

オブジェクタム

 
うどん キツネつきの (創元日本SF叢書)
 
リンカーンとさまよえる霊魂たち

リンカーンとさまよえる霊魂たち

 
これはペンです

これはペンです

 
私はあなたの瞳の林檎

私はあなたの瞳の林檎

 
静かに、ねぇ、静かに

静かに、ねぇ、静かに

 
堆塵館 (アイアマンガー三部作1) (アイアマンガー三部作 1)

堆塵館 (アイアマンガー三部作1) (アイアマンガー三部作 1)

 

 

 

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そのあと、このまま家に帰るのも癪だったので、いつもの喫茶店で時間をのんびりと過ごしました。いつもの本屋で衝動買いした階知彦の「火曜新聞クラブ―泉杜毬見台の探偵―」という本を読んでいたんですけれど、うーん、これ面白いのかな、他の本を買えばよかったかな、とちょっと残念な気持ちになりました。そのあと、そそくさと家に帰って19時前。

 

火曜新聞クラブ―泉杜毬見台の探偵― (ハヤカワ文庫JA)

火曜新聞クラブ―泉杜毬見台の探偵― (ハヤカワ文庫JA)

 

 

 

テレビを観る気分になれず、ただただ眠気が凄かった。あれだけ寝たのに、まだこれほどにも眠いのか。結局、平日の疲れは二日間の休日では癒せなかった。

 

 

 

休日を満足したものにすることができなくて悔しかった。昨日、夢中になって読んだ「狭小邸宅」を一気に読んだ。怖かった。この本のようなことがこの世界のあちらこちらで繰り広げられているのであると想像して、ぞっとした。ほぼホラーである。

 

 ろくに就職活動をすることなく、苦し紛れに今の会社に入った。営業に配属され、とにかく家を売れと言い渡された。胃痛をおぼえるようなノルマ、体を壊さずにはこなせないほどの激務、そして挨拶がわりの暴力。逃げ出さないのが不思議なぐらいヤクザな毎日だった。

 だが、辞めようと思いつつも、どういうわけか今日までつづいている。辞めようとすることで降りかかる諸々の面倒がひとつのブレーキにはなっていた。あるいは何をすべきかわわからないまま辞めたところで、畢竟、似たような状況に陥ってしまうといった予感も手伝っているのかもしれない。はっきりとしたことは、自分自身にもよくわからず、曖昧なまま、ずるずると毎日の営業に追われていた。

 p13

 

「お前らは営業なんだ、売る以外に存在する意味なんかねぇんだっ。売れ、売って数字で自己表現しろっ。いいじゃねえかよっ、他の部署見てみろ、経理の奴らは自己表現できねぇんだ、可哀そうだろ、可哀そうじゃねぇかよ。売るだけだ、売るだけでお前らは認められるんだっ、こんなわけのわからねぇ世の中でこんなにわかりやすいやり方で認められるなんて幸せじゃねぇかよ、最高に幸せじゃねぇかよ」

p81

 

こんな恐ろしい世界が広がっていることを知っていたら、大学三年生のときの私がこの本を読んでいたら、少しでも将来は変わっていたのかな。働くことに関して一切甘えは許されないということを少しでも授業の時に誰かが教えてくれていたら、今のような状況は存在していなかったのかな。すごく引き込まれた。小説出てくる登場人物が否が応にも脳内で再現されて、不快なシーンが頭の中で上映される。刺さる、一つ一つの言葉。新しい部署に配属される主人公、そこで今まで出会ったことのなかった上司に出会い、そこで営業のやり方、そもそも自分は営業に向いていないんじゃないかということを考えさせられる。ぎりぎりのところでなぜ踏ん張っているのか分からない主人公が、焦燥な気持ちを必死に抱えながら、お利口さんのごとく毎朝出勤している自分に重なった。主人公がどういう風に成長していくのか、それとも堕ちていくのか。気になって気になって自然、読むスピードが速くなった。こんなに夢中になって読んだ本は久しぶりだ。あまりにも現実に密着しすぎていて、逆にファンタジー小説なんじゃないかと思うくらい、読んでいて頭がくらくらしてきた。主人公はどうしていればよかったのか、どこでどういう決断を下していればよかったのだろうか。いろいろと考えさせられるし、就職活動は慎重に真剣に行うものだけど、運の要素もだいぶあるものだよな、と思い知らされた。こんなにひりひりした気持ちは久しぶりだ。またこんな感じの本、労働に勤しむ人間の悲哀を描いた小説を読みたい。

 

狭小邸宅 (集英社文庫)

狭小邸宅 (集英社文庫)

 

 

当分、現実離れした小説を読むのはいいかな。もっと、現実に根付いたような小説をがんがん飲み込んで、いろんな世界を知りたい。私は無知であることを改めて思い知った。働くことは一筋縄ではいかないものですな。

 

 

明日から、自分に帰れるかな。