眠たげな猫の傍で

眠たげな猫の傍で

世界の果てで眠っていたいな

妄想少年

とにかく妄想ばかりしている小学生であった。特に好きな妄想は「もし自分が○○のトップの座についたら」といったもので、それは時期によって様々な形に変わった。あるときは音楽界の最前線で旗をおもいっきり振っていて、それに呼応するように世界各国のミュージシャンがこぞって私の演奏に影響される類いのそれを妄想してはにやにやしていた。あるときは小説界の重鎮となって、自分の書く小説が世界各国で翻訳されて、世界中の人々の心を突き動かして。それで少しずつ少しずつ世界がよい方向に変わっていく類いのそれを思い浮かべては布団にくるまって夜遅くまで夢想していた。なんてお金のかからない、すばらしい趣味なんだ!必要なのはこの自分の頭のみ、いつだってどこだって自分の考えたいことを考えていた。なんて幸せな時間だったんだろう。ということを仕事に汚染された現在の私は苦笑いしながら思い出している。ふと気を抜くと仕事でうまくできなかったあれこれが頭のなかを占めて、自由な発想の邪魔をしてしまう。私は自分が楽しくなれるようなことだけを考えていたいのに、どうして時間外なのにまだ私を追っかけてくるんだよ。少しは攻撃の手を緩めてくれないか。ただ私は、今より少しだけでも幸せな世界のことを考えていたいだけなんだ。