眠たげな猫の傍で

眠たげな猫の傍で

世界の果てで眠っていたいな

僕はいつまでもここにいるつもりではない

一時期、BOOK OFFにはまっていた。正確には100円で本を買えることに喜びを感じていたのだが、その辺の個人経営の古本屋は売っている本が汚いという偏見を持っていて、買った本を綺麗に加工して本棚に並べるBOOK OFFに入り浸っていた。古本屋のいいところは気軽に本を買えるところだ。知らない作家の本や、今まで踏み込んだことがなかったジャンルの新書など、新品で買おうとしたら綿密にネットで書評をチェックするところだが、100円で売っているとチェックのハードルが低くなって、ついつい本を買ってしまう。結果、読みもしない本がどんどん積み重なり、部屋は古本特有の異臭に包まれる。あの臭い、おばあちゃん家の奥の部屋で発酵した南瓜のような懐かしいような紛らわしいような臭いはあの頃はなんとも思わなかったが、突然嫌になった。この本の前の主がどのように本を扱っていたのかわかったもんじゃない。毛むくじゃらの獣みたいなおっさんが尻をぼりぼり書きながら読んでいる可能性だって0ではないのだ。そんなことを考え出したら、古本というものが汚らわしいものに思えてきて、BOOK OFFに行くことがなくなった。今では店内にかほるあの異臭を嗅いだだけで毛むくじゃらのおじさんの隣にいるような強迫観念に襲われてしまい、古本屋に入ることができなくなった。あの頃にあほみたいにたくさん買った古本は押し入れの奥の奥に、ひっそりと佇んでいる。いづれ日の目が見ることを願いながら、今はひっとりと眠りについていることだろう。古本屋に行かなくなってからも本に対する異常なまでの執着心は衰えることがなく、社会人の豊富なお小遣いという援護も相まってか、月に4、5万円ほども本にお金を費やしてしまっている。買った本のすべてを消化できるはずもなく、淡々と本が積み重なっていく1Kで、今日も本棚を眺めてはにやにやしてしまうのだ😏。