眠たげな猫の傍で

眠たげな猫の傍で

世界の果てで眠っていたいな

理想的な家族のかたちなんてない

「森の家」期待してなかったせいもあってか、すっごくよかった。つべこべ言わない、とにかく読んでほしい。もうこんなにもどきどきしながら読書するなんていつぐらいだろう。他人に対して殆ど興味のない人間を嘲笑うかのごとくの表現、畏れ入りました。いや、これの何が凄いかって、主要な登場人物が三人出てきて、それぞれが主役のちょい長い短編があって、それを読んでいるとあのやろーと思っていた人物についつい肩入れしたくなってしまうんですよ。そうか、外から見たらひどく自分勝手な人間に見えるけど、こんなにも繊細な心を持って人間と立ち向かっていたんだなと。現在進行形で人と関わることに億劫さと苛立ちと僻み妬み諸々の感情を抱いて四苦八苦している私のなかにするりと入ってきてしまう、そして知らず知らずのうちに少しだとしても心を動かされていて「明日少しでもいいから人付き合い楽しんでみるようにしてみよう」と前向きに人との接触を考えられるようになったのだ。本を読むことは自分の価値観を覆したり今までなかった発想と出会うために行っている行為であって、この本は自分の価値観を少しでも揺るがしてくれたということで、読み終えたあとに少し自分が変わったような、変えていけるような気がしました。好きな作家さんがまた増えていきそうでうれしいです。尾崎さん、ありがとう。

 

森の家 (講談社文庫)

森の家 (講談社文庫)