眠たげな猫の傍で

眠たげな猫の傍で

世界の果てで眠っていたいな

やめるときも、すこやかなるときも 感想文

タイトルがずるい。このタイトルだけでもう満足してしまって、本編の方はもう途中からどうでもよくなった。男視点と女視点を交互に挟んで、二人がどのようにして近づいていき離れ、そして......みたいなおりこうさんな筋書きにそった優等生のような作品でした。窪さんの作品にそんなものは求めてない。読んでいて一滴足りとも喉が異様に乾くようなあのもどかしさがなかった。

 

 

ふがいない僕は空を見た

ふがいない僕は空を見た

 

 デビュー作品であるこの小説を読んだときの心の高鳴り、恥ずかしさ、もどかしさを今でもありありと覚えている。エロいんだけど真っ直ぐな人の心を描くのがすごくうまいよな、しっかりとした適度なエロで、読んでるとどうしてもクリープハイプを思い出してしまうのは私だけかな。本当にこれはよかった、思い出補正かかりまくりなきがするので一度も読み返していない。

 

 

よるのふくらみ(新潮文庫)

よるのふくらみ(新潮文庫)

 

 これもまたよかったんだよな。久しぶりに心地よい背徳感とエロと真っ直ぐな心を上手に描ききった良作で、カバーもすごくいいの一軍の本棚に置いてあります。

 

 

bigpopmonster.hatenadiary.jp

 

 

 

 期待していた。のにさ、正直言って読んでいても全然響いてこないんだよ。誰にも感情移入できないし、もう勝手にやってくれよと思いながらもせっかく読み始めたんだからなと私の悪い癖で最後まで読み進めて、はーとついついため息をついてしまいました。

 

小さく口を開けてかすかに微笑みながらそう言う。その顔を見て泣きたくなるこの気持ちの正体はなんだろう。それと同時にその顔がとても懐かしく思えるのはなぜだろう。

 

恋愛ってつらいものだな、と私は思っていた。誰かを好きになることはあまりに大変だ。みんなこんな感情の浮き沈みを体験しているのだろうか。私の恋愛の仕方がおかしいのだろうか。壱晴さんに会ってからというもの、時間の進み方だって加速しているみたいに感じるのだ。こんな人に出会わなければよかった。違う。瞬時に私は思う。どんなにつらくても、壱晴さんと出会う前みたいな、生きているかどうかわからない毎日には私は二度と戻りたくはないのだ、と。

 

大人は自分のどこかを麻痺させたまま仕事ができるものなのだ。そうしなくちゃ生きていけないからだ。けれど素知らぬ顔でそんなことができてしまう自分に、私はかすかに失望もしていた。

 

何者でもない自分、こんなことをしていていいんだろうかと悩みながらもふとしたきっかけで出会った人に恋をしていく。でもその人には忘れることのできない悲しい過去を持っていて......ってすっごくべったべたな舞台を用意しておいて、こんな感じにしか仕上げられなかったのかと思うと、この作者の限界を感じてしまう。好きな小説家だったから、新刊が出るたんびにわくわくしていたから、ここで諦めたくない。次作がどうか私好みの作品に仕上がっていますように。

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